2007年5月18日(金) - 5月27日(日)
12:00pm 〜8:00pm (土・日・祝〜6:00pm) 月曜定休
●斎藤昌寛さんは、代々続く、象牙や根付の職人の家系の五代目です。根付に限らず、手仕事の職人で、家業として、昔からつづいている家が少なくなる昨今、技術の継承というのは、とても貴重なことです。 昌寛さんの父、斎藤美洲さんは、言わば『昔のものであった根付』を『現代の作品』として、復活させた『現代根付運動』の提唱者のお一人です。根付師として、一時代を築いた父親の後を継ぐというのは、一人の作家として、とても大変なことと思います。いかに受け継ぎ、また、いかに枠の外へ出るか!?試行錯誤の日々ではないでしょうか? 今回の展覧会は、根付師斎藤昌寛にとって、初めての個展です。成長途上の作品の数々、是非、多くの方々に御高覧いただき、ご批評を賜りたいと願っております。 「獅子」や「貘」といった伝説上の動物、鳥や魚などの小動物、「大黒様」「えびす様」などの人物作品まで、およそ20点ほどが並びます。
●「根付」は、江戸時代に最盛期を迎えた装飾工芸品、袋物や印篭などを携帯するための滑り止めです。着物を日常的に着る事が少なくなった現代では、どのような存在意義を作品に見い出すかが問われています。精巧に彫刻された芸術品・オブジェ的な価値を求めるのか?あるいは、元来の実用にこだわった美を守り続けていくのか?とても難しいところです。 しかしながら、作品が「根付である」ということによる制約(実用に耐えるような形の工夫・大きさ・強度などの要素)によって、他の彫刻作品には無い立体作品としてのフォルムの面白さを持ち得ているのだろうと思います。そして、一番の魅力的な特徴は、触って楽しむ立体芸術であるという事です。このように、掌に包み込んで味わう芸術作品は、他に少ないのではないでしょうか。視覚、触覚にまでこだわった彫刻作品が「根付」なのです。