| 2004年9月28日(火)〜10月10日(日) |
 |
木口木版作品を中心に、手製本したえほんも展示
深い杜で、幾重にも繰り返される小さないのちをテーマに |
 |

「深い杜で」 |
 |
作品について |
 |
小平さんは、これまでインクジェットプリンターを使った作品や、水性板目木版の多色刷りなど様々な表現方法を試しながら、自分の作品世界を深めてこられました。自分にあった表現方法を模索する中で、ピアニストのササマユウコさんとの出会いがあり、そのCDジャケットを木口木版画で依頼されたのをきっかけに、木口木版での制作活動を主に続けておられます。
また、以前に安曇野の「ちひろ美術館」で勤務していたこともあり、絵本や童話にも興味を持ち、最近は小さな絵本のような版画集にも意欲的に取り組んでおられます。 |
 |
小平さんの作品は、どれも古びたような懐かしさがあります。少し埃っぽいような、やわらかい温かな空気を感じます。日本の古い家屋に入った時に感じるような、そういう空気感です。安曇野に暮らした経験、野や山に親しむ作家の心情が、そこに滲んでいるのだと思います。
おおらかで素朴な作風は、元々木口木版画の持っている緻密さとは、少し隔たりがあるかもしれません。それでも、見る者を内側に引き込んでひとつの世界を作る木口木版画の魅力は、失われていないようです。円い木の切り口に刻まれた画面には、確かに生まれでようとしている世界が息づいています。これからの小平さんが、小さな木の切り口を版面にしてどんな風に豊かな世界を築いていってくれるのか、とても楽しみにしているのです。
「深い杜で」と題されました今回の展覧会、『深い杜で幾重にも繰り返される小さないのち』をテーマに、木口木版画、手製本、版画集などが並びます。 |

「月を探す旅」 |
 |

えほん「はじまりのたね」普及版 限定50部 |
 |
木口木版画とは? |
 |
元々は、西洋の活版印刷などで挿絵を刷る技法として広く用いられていました。
縦方向に切り出した版木の板目木版に対し、木口木版は堅い木材を輪切りにした木口を版面として使います。ビュランと呼ばれる先端を鋭く研いだ刃物で彫るため、細かい線による表現が可能な版画です。細かい描画というと、銅版画がまず思い浮かぶ事と思いますが、大きな違いは、銅版画が凹版なのに対して、木口木版画は凸版であるということです。つまり、白い画面に黒い線で描いていく銅版画と異なり、木口木版画は黒い画面を白く削り取っていくことで、描画していくのです。また、木の切り口の円く自然な形が画面となる面白さも特長です。
日本の木口木版画には、『闇に中に光りを射すような・・』という表現がよく使われてきました。技法の特質もあって、暗闇からイメージが沸き上がってくるような作品が多く制作されてきたのですが、近年は、また新しい感覚で木口木版画に取り組む作家も増えています。 |
 |
【作家紹介】
小平彩見(Saimi Kodaira)
1997年武蔵野美術大学油絵学科版画コース卒業。
1998年より2年間、安曇野ちひろ美術館に勤務。
以後、雑誌や書籍等で挿絵・デザインを手掛けながら制作活動を行う。
2001年2月初個展(花影抄)
2003年2月木版画展 -遠い記憶の風景-(花影抄)
2003年10月 木版画展 -月を探す旅-(東京/立川オリオン書房Lounge)
2004年6月木版画展 -はじまりのたね-(長野県/アザレアギャラリー)
今年から製本の勉強を始め、自作の版画とことばを添え
手製本にした、えほん「はじまりのたね」を制作。 |

「月花時計」「はじまりのたね1」 |
|
|
|
|
|
|
|
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |