Gallery花影抄は Tea Room に併設した解放的な空間です。
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根付師 伊多呂の『根付彫刻展』
・・・ポケットの中に・・・
2004年9月7日(火)〜19日(日)
根付(ねつけ)とは?
●根付とは、小さな中に精緻な細工がほどこされた、彫刻品です。
●もともとは、江戸時代、武士や町人たちが、巾着や煙草入れ、印籠などを帯に吊るす時につけた滑り止めのための小品でした。着物を着なくなった現在では、美術品としての扱いがほとんどとなりました。
●手の平におさまるような彫刻作品ですが、装身具として実用に耐えうるように、フォルムやサイズ、あるいは紐を通すための穴をあける、また上下・裏表どこからも見られても作品として完成しているなどの制約があります。そこが根付と、ただの小さな彫刻の作品との違いです。
●根付に使われる素材は、木材(黄楊・黒檀・檜・桜など)動物の角や牙(象牙・鹿角・マンモス、猪の牙・水牛の角など)陶磁器、ガラスなど、様々です。
●モチーフとなるものも特に限定するものもなく、大変自由なものです。
例えば、動物・妖怪・神様・伝説の人物から、可愛らしい子供、着物姿の女性像・寿司などの食べ物・現代的な造形美に至るまで、あらゆる物が作られてきました。
●ひねりと洒落も、根付の重要な要素です。思わず肩の力が抜けるような滑稽さ、あるいは、粋の世界とでもいうような、洒落っ気のあることも、根付の持つ大きな魅力のひとつです。
根付の歴史  
 根付は、文化文政年間(1804 - 1830)に、その最盛期を迎え、遊び心溢れた実用品として、身分を問わず広く愛されました。
 明治になって、服装が着物から洋服へと変わるにつれ、根付の需要も減りはじめます。ところが、この頃、鎖国を解いた日本を訪れた欧米人たちの目にとまることとなりました。明治政府は、美術品として海外に輸出することを奨励、以降、根付は小さな美術品としての道を歩み始めます。実用品としての根付から、美術蒐集家のコレクションの対象へとなっていったのです。
 時代は下り、1970年代から根付の世界にも新しい動きが見られるようになりました。
新しい感覚によってつくられた「現代根付」の作家の活躍と共に、素材やモチーフデザインが、多様化しました。
 然し、美術品として作品の世界は広がっても、好事家達のコレクションの対象としての位置づけに変わりはありません。また、海外での根付に対する評価とは異なり、日本国内での認知度は、まだまだ低いのが現状です。
 伊多呂は、現代に生きる根付作家として、根付を庶民に親しみ愛された時代に戻そうという姿勢で制作をしています。精緻な彫刻作品というだけでなく、いつも手に取って楽しむ愛玩性や実用性を備えた、根付本来の姿に戻そうという試みです。

【作家紹介】
伊多呂・・・2000年より根付彫刻を始める。初個展。
【参考文献】
「改訂新版 根付の魅力」砂本清一郎著 光芸出版
「根付 たくみとしゃれ」荒川浩和編 淡交社
 
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