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伊勢・飛騨根付展
〜木のかたち〜
2007年3月2日(金)〜3月11日(日)
12:00pm〜8:00pm(土日〜6:00pm)
●ご挨拶
 このたび、ギャラリー花影抄では、伊勢と飛騨という2つの根付の伝統ある土地から、作家さんをお迎えしての展覧会となりました。
 サブタイトルは「木のかたち」と致しました。どちらの土地も、古くから木彫の名門ブランドと言って良いでしょう。
 根付の素材として、代表的なものは象牙と木材です。それぞれの材料を削るために、象牙には「左刃」と呼ばれる特別な刀、木材には彫刻刀(右刃)、それぞれに小さな物を彫刻するために、数多くの道具を使いこなす事が必要です。現代においては、昔から代々続く家柄、あるいは、地方性といったような「技術の伝承」が、少なくなってきたように感じられますが、それでも、「左刃」なのか「右刃」なのか?というところで、(流派というのも違うかもしれませんが、)大きく分かれているようです。
 今回、お迎えするのは、もちろん「木」を中心に仕事をしておられる「彫刻刀・右刃」の方々です。
伊勢根付『蜜柑龍』紫苑(正面・後)
飛騨根付『蝙蝠』亮友
●伊勢根付
 伊勢は、「朝熊黄楊」という根付彫刻に最適な木材の産地を持つ、木の根付や彫刻の地。(黄楊の中にも、いくつか種類があるのですが、この「朝熊黄楊」は、現在では大変に貴重な材料となってしまい、入手は困難だそうです。)優れた材料を使って、数多くの根付を世に送りだしました。江戸の昔、「お伊勢参り」ということが、当事の流行になった中で、「正直」という銘の根付を伊勢土産として、一大ブランドに育て上げたのです。「無事に旅から帰る」ことの縁起を担いだ「草鞋に蝦蟇蛙」の図や「丸鼠」などの有名な根付のデザインがあります。
『丸鼠』紫苑                            
       
『柿』紫苑         『猪』紫苑(底・側面)
 紫苑さん・夏輝さん・忠克さんの3人は、伊勢の根付の伝統を受け継いで修行をしておられる方々です。今回の展覧会が、デビューのようなところもあり、今後の活躍にとても期待をしています。「栗」や「筍」などのシンプルなものから、「伝統の丸鼠」や、「蜜柑龍」「猪」など、古典根付にベースをおいた作品の数々です。
『落花生』夏輝   『しめじ』忠克 『筍』忠克
  『蜆』紫苑     『虫食い栗』紫苑  
●飛騨根付
 飛騨は、「一位(いちい)」という銘木を使った「一位一刀彫り」がお家芸。開祖は、亮長という伝説的な根付師です。一位材を使った彫り物は、樹皮に近い白い部分、その奥の赤茶色の部分、2つの色を作品に活かすのが、面白みです。比較的柔らかい素材なので、動物などの形態を一筆描きのように、大きな面で捉えて彫り出すことが多いです。2つの色の効果を使ったり、抽象的な大きな面で形を捉えたり、デザイン的な要素の強いのが、一位一刀彫根付の魅力だと思います。
           
『金魚』亮佳        
 また空気に触れることで、木材に含まれるタンニンが変化して、色や艶が深くなっていくので、年月による変化も楽しめます。彫刻されてすぐの作品は、「白とオレンジ」ですが、数年で「黄色と茶色」、数十年で「茶色とチョコレート色」というように変わっていきます。
『茄子に蛙』亮友
 亮友さん・亮佳さんの御兄弟は、2005年に開催させて頂きました「飛騨一位一刀彫根付展」、2006年の「干支根付展」の折にも、お迎えを致しました。ベテランの一位一刀彫りの彫刻師です。一位一刀彫らしい「蝙蝠」や「蛙」「兎」などの根付が並びます。
『仔犬』亮友   『兎』亮友       『仔雀』亮友
 木の文化というのは、やはり触れると何かかほっとするような心地よさがあるように感じます。是非、御来場頂き、木の根付の数々に触れてみて下さい。何卒、宜しくお願い申し上げます。
※作品については、eメールでもお気軽にお問い合わせ下さい。