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●二十五年ぶりの再版●2008/6/4
 齋藤美洲著「根付彫刻のすすめ」が、初版より25年の時を経て、再版されました。

 奇遇ですが、デザイン雑誌「AXIS」による齋藤家の紹介号が発売になって間もないことです。なにか「時」が、撚り糸のようにつながったのだろうか?と思いました。

 1984年の冬に、書かれた「あとがき」には、海のむこうからやってきた、リ−・スロゲットさんに根付を教え始め、そして、それがNHKの番組で紹介されたことがきっかけとなり、日貿出版社から本書の企画相談がきたのだとあります。

 根付は、様々な技術の集積によって成り立っている面があり、特殊な道具の使い方などは、なかなか一般の人が知ることは出来ないものです。今回の再版をきっかけとして、より多くの方々に「根付の知識」が広まっていけば、本当に嬉しいことです。

 また、内容のほとんどは「根付制作の解説」ですが、冒頭の挨拶文やあとがきなどから、美洲さんの根付造形論の核となる部分にも、触れることができ、とても興味深く読みました。
●デザイン雑誌にて●2008/5/14
 AXIS(アクシス)というデザインの雑誌にて、根付を取り上げて頂きました。「匠のかたち」という職人仕事を紹介しているコーナーです。デザインという分野を扱う中で、やはり「手」による仕事というものを大切にとらえているとのことでした。

 齋藤美洲・昌寛親子の作業場にて、素材が根付に変わるまでを取材してもらいました。当日は、編集の方・ライター・カメラマンに私も同行させてもらい、齋藤家のアトリエに一日おりました。取材用のハイペースの作業でしたが、「タグアナッツ」が次第に「猫の根付」に変わっていく様子を間近で拝見する機会を得たことは、とても貴重な経験になりました。

 根付というものには、デザイン的な要素も強いと考えていた時に、デザイン雑誌から、掲載のお話をいただいて、嬉しく思いました。すべての文章ではありませんが、英訳も付き、海外の書店でも販売されているとのこと。新しい分野の方々の目に触れて、興味を持っていただければ、本当に幸いです。
●小間物はじめました!●2008/3/23
 前回の更新から、「小間物屋徳右エ門」さんのコーナーが出来ました。袋物の扱いを少しずつでも始めたいと思っていたので、ようやく!というところです。長い間、御要望やアドバイスを下さっていたお客様もあり、感謝申し上げます。(私の要領の悪さも、コーナー開設が遅くなってしまった要因として多々あり、反省しております!)今の世でも、根付を使ってみるという主旨では、これでようやく!ほんのスタートラインにつきかけたところと思います。徳右エ門さんは、丁寧な手仕事で誂えの品を主に手掛けておられます。巷に気に入った袋物がない!と思われた時には、是非お声をおかけ下さいませ。作家共々、何卒、宜しくお願い申し上げます。

 現在、花影抄のホームページにて帯留や女性用の和装身具を扱えるように、改装準備を進めております。帯飾りをおさめて下さっている月代さんや、徳右エ門さんも、そちらでの扱いを予定しております。改装完成までの間、「帯飾り」のコーナーで帯留を、「徳右エ門」のコーナーでも、女性用のポーチなどの御紹介もしてまいります。

 根付のお客様には、やはり男性の方が多いのですが、是非!贈り物にも御利用いただければ幸いに存じます。
●瓦版はじめました!●2008/3/13
 今回の更新から、『根津の根付屋瓦版』と題した企画を始めることになりました。
普段の活動では、なかなかお伝えすることが出来ていなかった、作家さんの近況などをインタビューや対談などを交えながら、御紹介していきたいと考えています。初回は、最近「3羽の兎」の連作を彫られた空観さんにいろいろ聞いてみました。企画の初回ということもあり、熱く語っています。興味をもって、お楽しみいただけましたら、幸いに存じます。何卒、宜しくお願い申し上げます。
●『根津の根付屋瓦版 第一号 三羽の兎-空観』
●京都根付館訪問●2008/2/26
 京都に昨年開館した『京都清宗根付館』の一般公開が、今月14日までされていました。会期も終わり近くになってしまったのですが、数名の作家さんと一緒にお訪ねしてきました。あまり大々的な宣伝をしておられないので、静かにゆっくりと鑑賞することが出来ました。数百点が並んでおり、現代根付の百科事典?とも言えるような、展示です。あまりの数に圧倒されてしまい、頭の整理がなかなかできないのが本音ですが、さまざまな素材を象嵌し、組み合わせていくような工芸的で、丁寧な細工物のような仕事の類。それに対して、(ちょっと上手く表現できないですが)彫刻の仕事、彫ることを見せていく!そういう類の仕事。なにかそういう対比が、眺めているうちに、自分の中に生まれました。ひたすら拝見し、堪能した数時間でした。
●工芸と芸術と●2008/1/16
 お店の正月休みの最後の一日、竹橋の近代美術館へ初詣。『工芸の力 21世紀の展望』という展覧会を観てきました。
 「工芸」と「美術・芸術」と呼ばれるもの、どこがちがうのか?その境界線は、じつは非常に曖昧です。昨年のある日、ふと考えてみて、考えるほどに、はっきりとわからないことに気がつきました。そんな折、ちょうどこの展覧会を知り、是非行こう!と思っていたのです。

 展覧会のテキストでは『工芸的造形』という言葉が使われていて、なるほど!そういう括り方もあるのかと考えてみたりします。それでは『芸術的工芸』もあるのか?とも思います。一概に言えないことではありますが、印象として、工芸というのは、やはり最初に『素材』次に『技術』、その事が強くあるのではないでしょうか。萩焼の人間国宝作家から現代アートの作家の手による克明な木彫の「木の葉」まで、多岐にわたる作品の間を通り抜けながら、さまざまな考えを巡らせるのは、とても楽しい ひとときでした。

 展示には、うっかりすると、ちょっと見過ごしてしまうような仕掛けの作品もあり、なんとも愉快な気持ちになりました。
●彫刻史●2007/12/23
 年末のスケジュールの隙間で、「日本彫刻の近代」という展覧会を観てきました。竹橋の近代美術館で開催されていた展覧会です。

 会場に入るとまず高村光雲・石川光明などの作品がお出迎え。その後、谷中の彫塑館でお馴染みの朝倉文夫・・・萩原守衛、中原悌次郎・・・高村光太郎。それから、舟越桂さんのお父さん舟越保武、佐藤忠良・・・・イサムノグチ・・・・と近代彫刻の流れを見せてくれる内容でした。

 数多くの彫り師・彫刻家のバトンリレーを経て、今に到っている『彫刻された作品の歴史』。日本の『彫刻』の歴史というのも、なるほど勉強しておきたい!と思った展覧会でした。
●高円宮コレクション●2007/12/01
 明治神宮の宝物展示室で開催されていた『特別展・・高円宮憲仁親王殿下 -御ゆかりの品々で綴る宮さまの思い出-』という展覧会に、根付のコレクションも展示されていて、会期終了滑り込みでしたが、拝見してくることが出来ました。

 根付に限らず、有名な美術品やコレクションというのは、運が良ければ何度か展示を見る機会に恵まれるわけです。面白いと思うのは、その時に自分の心持ちなどで、また新しい発見があったり、前とは違う作品に惹かれたり、そういうことはなんだかとても良いなあと思うわけです。今回も、前回拝見させて頂いた時とは、違った作品の前でしばし立ち止まり、眺めて考えて帰ってきました。

 あと、本当には良いことでもないのでしょうが、偶然、作品が倒れていたり、違う置き方で展示されていたりすると、「あ!裏はこうだったのか〜!」なんていう発見もあり、それも面白いのでした。
●TREASURD MINIATURES CONTEMPORARY NETSUKE●2007/11/09
 今回、伊勢から阪井正美さんをお迎えして展覧会を開催させていただきました。正美さんの作家活動の略歴を拝見していると、毎年のように日本国内にとどまらず、世界のどこかで開催されている根付のイベントに参加をしておられるのが分かり、何か使命感のようなものを感じました。

 展示の資料としてお借りした物の中に、1994年に大英博物館とロサンゼルス・カウンティ美術館で開催された「TREASURD MINIATURES CONTEMPORARY NETSUKE/現代根付」という展覧会の図録がありました。展覧会タイトルは、直訳したら「小さく細密な宝物」!?、何か外国の方々が根付に対して抱くイメージ・雰囲気がわかります。
この図録がとても良いもので、しげしげと眺めています。掲載作品全体からも勢いのようなものが感じられ、現代根付がはりきっている様子とでも申しましょうか、それが伝わってくるように感じました。

 巻末に、日本根付研究会の関戸前会長の解説文『根付-江戸から現代へ』が載せられていて、これがまた本当に素晴らしい文章でした。根付がどういうもので、どういう歴史をたどってきたか、一読して理解出来る。最後に現代根付について言及しておられ、『提げ物の付属品として出発した根付は、四百年たった現在、一個の芸術作品として完全に位置づけられた。また江戸時代の根付が、当事の生活や文化の縮図であったと同じように、今制作されている根付は、現在の世相を写す鏡ともいえよう。』と書いておられました。1994年にお書きになった文章です。拝読した後、自分にとっては、ちょっとひとくちでは言い難い様々な思いがわいてきました。
●ストラップの楽しみ●2007/10/09
 升さんの出品する展覧会が始まりました。展示前の搬入作業が終わり、ちょっと落ち着いて、あれこれと見てまわるのは、楽しいひとときです。

 今回は、ぶら下げるタイプ(いわゆるストラップ型)の作品が多いと思います。やはり、日常で実際に登場する機会が多いのは、ケータイ電話に限ったことではありませんが、何かに「ぶら下げる式」のものなのでしょう。「根付」の現代版が「ストラップ」であるのかどうか!?は、さておいて、なんだかいろいろ細工や彫刻がしてあって、面白かったり、皮肉がきいていたり、かわいらしかったり、個性的だったり!そういう物を提げているのも、とかく肩が凝る毎日でちょっと良いのではないでしょうか。

 私が個人的に凄く気になっているのは、『赤いリンゴが唇よせて。』という作品です!
●京都に根付の美術館が開きます●2007/9/24
 京都に根付を展示する美術館がオープンします。『京都 清宗根付館』。場所は、新撰組で有名な壬生寺のすぐ側です。古い武家屋敷を利用した、とても趣きのある建物に、数百点の作品が展示され、春夏秋冬に2週間ずつ、一般公開されるとのこと。
現代作品が中心ですが、古根付もある程度の割合を占めています。根付を展示する美術館が、日本では数少ない中で、とても楽しみなことです。

 最初の一般公開は、11/1〜14。京都方面へ足を運ばれる方は、是非!のぞいてみてはいかがでしょうか。

 [京都清宗根付館] http://www.spcom.co.jp/netsukekan/index.html
●古きに学ぶ●2007/9/14
 このところ、古い根付の数々を拝見する機会が何度かありました。いわゆる名品と言われるような根付達ではありませんでしたが、昔の人達が実際に使ったことや、あるいは逆に、その根付を作った人々の工夫やアイデアに想いをはせながら、手に取って見るのは、とても楽しく充実した時間です。発想の仕方、その根付を作った考え方などは、今の制作に繋がるヒントに満ちています。「今だったらこういうことか!?」とか、「そうか!これで良いのだな〜」とか、いろいろ思いながら見ていました。金属製の根付で、骨組みのような作りで出来ているものなど、すぐにでもどうにかできそうな?そんな気分で手にとりました。

 最近、古い根付を拝見する時に、「この先に何が提がっていたのだろう?」と思うことが多くなりました。そういうのもなかなか楽しいですよね。凄い名品とかではなくて、昔の庶民が使った根付に、とても興味があって、どうでも良いような(と言ったら失礼でしょうけれど)そういう根付の先が、どんな提げ物と繋がっていたのか?と思います。今の世でも、そういう気楽な根付の使い方や楽しみ方があったら、楽しかろうとも思ったり。。。。。帰ってから、作家さん達とまた色々相談したくなりました。
●幕末維新懐古談●2007/9/4
 楽虫さんに本をお借りして、少しずつ読んでます。高村光雲著の「幕末維新懐古談」という本です。光雲先生の語り口調で書かれていて、ゆっくりとしか読み進められないのですが、書かれていることのすべてが、興味深く面白い。時代背景や当事の生活、制作や商売に関することなど、事細かく書かれた本です。

 ちょっとズレた感想になるかもしれませんが、頁をめくっているうちに、ヒーローもの!や冒険小説を読んでいるような感覚になることもありました。高村光雲という優れた彫刻師が、技を磨き、次々にハードルを越えて作品を作り出していく、まわりにも、才能や魅力に溢れた人物(石川光明や加納夏雄などなど・・・)が登場してきて、主人公と交流する。良く出来た「ヒーロー成長冒険譚」のような一冊かもしれません。

 もうすでに読んでおられる方も多いことと思いますが、まだという方は、機会があれば是非!読んでみて下さい。岩波書店からでています(岩波文庫)。
●ビードロ根付●2007/8/9
 このところ、久しぶりに小説を続けて読んでいます。新潮社からでている「しゃばけ」(畠中恵著)という本です。現在、新潮社のホームページ上で、現代根付師の向田陽佳さんが、登場人物にインタビューをうける!という企画「リアルおこぐ日記」が進んでいて、それで興味がわいて読み始めた次第です。廻船問屋の若だんなが、妖怪たちと一緒に江戸の町におこる事件を解決していく!という物語なのですが、時々、「根付」が小道具として出てくるのも、嬉しくなってしまいます。2巻目の「ぬしさまへ」では、青いガラスの根付がでてきて、登場人物を救います。江戸時代、ガラスのもつ不思議な透明感は、さぞかし、人のココロに沁みただろうと思うのです。

 今、花影抄でもガラスの作品展をしています。饅頭型の根付などもあり、浴衣で夏の花火見物などで使ってみてほしいと思う作品達です。宜しければ、お立ち寄り下さい。
●陶根付への挑戦つづく!●2007/8/9
 先日、北澤いずみさんの陶根付展が、おかげさまで(会期の初めを台風に見舞われたのが残念でしたが)無事終了いたしました。御来場いただきました皆様に、本当に感謝申し上げます。

 昨年に続く二回目の挑戦。前回は、丸く丸く・・・基本を押さえよう!という作品が多かったのに比べ、今回は、手先の細かい仕事と上絵付けの精度を高めよう!という目標で作られたものが多かったようでした。技術的に少し余裕も出てきたように感じます。会期中、さまざまなご批評を頂き、次回への目標や課題も見えて、充実した展覧会となりました。

 個展をすることで、毎回、一段ずつ階段を登っていければ、とても楽しく素晴らしいことと思います。いずみさんには、是非!挑戦を続けて頂きたいと思いました。十日間、お疲れさまでした。ありがとうございました。
●「組み紐」再開します!●2007/7/27
 しばらくネット上での組み紐の販売をお休みしておりましたが、このたび再開することとなりました。ストラップ仕様のものですが、他で売っているものと違うのは、輪の大きさです。根付が中をくぐれるようにと普通にあるものよりも、大きなサイズに組んであります。

 紐を組んで下さっているのは、組み紐師の伊澤ひとみさんです。(ブログもあるので、よろしければのぞいて下さい! http://kumihimo.jugem.jp/)糸を染めるところから、組んで、最後に端を糸で処理するところまで、すべてを1人で手作業でこなしています。(1人でやっているので、あんまり数は出来ません。)品物に触ってみると、しっかり感!があり、端も糸でしっかり処理をしてあるので、安心感!もあります。

 先日、組み紐商の方といろいろお話をする機会がありました。手仕事での組み紐は、どんどん貴重なものになっていくだろうということを言っておられました。若い技術の後継者が少ないので、伊澤さんを大事にするように!(笑)とも言われました。効率、スピード、価格、、、そういった要素に手仕事は馴染まない部分が多々あるのは、当然のことで、厳しいものですが、その中でなんとか良いもの、技術を残していきたい、そういう努力が必要だと思ってます。
●ナニを提げるドウ提げる?●2007/7/8
 先日、今年の根津根付彫刻展をおかげさまで無事に、終了いたしました。御来場下さいました方々、いろいろなご意見をお聞かせ下さいました方々に、また、作家の皆さんに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。勉強になることや発見がたくさんあり、貴重な8日間となりました。今後の活動につなげます。

 ちょっと誤解を招くかもしれない表現になりますが、根付を今、実際に使うということは、一言で言うと、『楽しい時代錯誤!?』なのだと思います。(使ってみると、便利な部分も結構あるのですよ!)私自身も、毎日、根付を使って小物入れを提げてみていますが、「今日はどれを使おうか?」などと考えるのもなかなか楽しいものです。やはり楽しさ!がポイント。
 しかしながら、やはり実際に使いはじめると、何を提げるのか?どんな提げものが便利で使いやすく見た目も良いか?は、とても大きな問題です。お店に出入りして下さっている、実用派の方々も、日々「こんな袋物があった!こういうポーチが便利!紐はこうでなくては!」と提げもののリサーチと研究を試みておられます。お店の私達が勉強や発見になることばかりですが、御自分の根付に、提げものを選ぶことが、とても楽しい行為なのが、よくわかります。昔の人も、きっとこういう風に、好みの提げものを探してまわったのだろうなあ...としみじみ思うのです。 そういう中で、一番はっきり分かってきたのが、紐穴の問題。考えてみれば当たり前のことのようですが、「紐」あっての「紐穴」なわけで、根付にどれくらいの大きさ重さの物を提げるかで、紐の太さも決まり、穴の大きさも決まる、また根付自体の大きさも決まるということを、本当に実感として理解しました。根付と提げものの組み合わせも、両者のバランスです。これからは、「この紐の通る、こういう穴を!」ということも増えそうです。「組み紐」の切り売りが出来れば便利だろう!と思い、只今、準備中です。また宜しくお願い申し上げます。
●【SOOK江戸前】創刊号でビジュアル系!?●2007/6/23
 小学館から「パソコンで読む大人のための雑誌:スーク(SOOK)」が創刊されました。
 その中の「江戸前」の特集号の中で、根付も紹介されています。『笑い』をテーマにして、現代根付からは空観さん、そして古典根付は提げ物屋さんの協力で構成されています。ビジュアル!?として格好良いので嬉しくなりました。思えば、昔は根付もファッションの一部でした。また、いつの日か、そういう時代も来れば面白い。やっぱり、まずは世の中の男前達に根付をつけてもらって!!などと思ったり、、、、。
 開催している「根津根付展」も、そういうところをいろいろ試行錯誤です。たくさんの方々の御意見を伺いたいと思っています。長い道のりと思いますが、頑張っていきたいです。
●デザインとしての根付●2007/6/8
 先日、2つのテレビ番組を見て、また考えてしまいました。ひとつは、三宅一生さんがデザインについて語るもので、ジャンルの垣根を越えて、大変示唆に富んだ内容でした。もうひとつは、棚田さんという若い木彫刻家の方がインタビューを受けるもの。
 以前、雑誌のBienでも「デザインでみる現代根付」という特集がありましたが、やはり、「根付」と「デザイン」というのは、深く関係しています。関係しているというよりも、ある部分では「根付」とは「デザインの仕事」そのものだったのではないか?と思ってしまいます。(今、興奮した頭で考えるからかもしれませんが・・・。)
 「根付のききて」というサイトでの対談の企画の中で、斎藤美洲さんが、根付のアート性についてということへ発言しておられるので、引用させて頂くと『個人の表現が出せるということ。古根付を見た場合、作家は「アーティスト」と「職人」に分かれる。友忠はオリジナリティのあるアーティストだが、その弟子は職人。根付のアートというものを理解できれば、根付全体の価値もあがってくるはず。』とおっしゃっておられるけれど、それはまさしくデザイン性についてのことなのだと思います。例えば、最初に三角の象牙の端材の中に根付の図柄を封じ込めた根付師こそ、非常に優れたデザイナーであったわけです。そのデザインが一世風靡したりする事は、現代のさまざまなデザインの流行と同じものです。根付を「デザイン性」という面でもっと評価をしていく、デザインの世界に接近していくのも、面白いのではないでしょうか。
また違った価値観の中で、根付を見ることが出来るかもしれません。
 彫刻家の棚田さんへのインタビューは、芸術家がいかに作品と向き合って制作しているか、素材のこと、テーマ性、自己の心情などが語られて、とても興味深いものでした。彫刻作品を作る作家として、どうしても根付作家さんのこととダブらせて番組を見てしまいました。
 現代の「根付作家」という存在を考える時、ひとりの彫刻家(工芸家)として捉えるというところが、まずあります。ですが、根付の大きな要素にデザイン的な仕事を考えるということになると、ちょっとイメージも変わるような気がします。デザインの仕事をする人は、「デザイナー」と呼ばれる人達です。「根付師:デザイナー」2つの言葉の響きを並べるとなんだか面白い。2つの仕事の性質を考えると面白い。
 デザイナーの仕事から、あれこれと学ぶことはできまいか?と思いました。
●根付彫刻、父が師匠●2007/5/30
 おかげさまで、昌寛さんの展覧会も、無事に会期を終了いたしました。有り難うございました。
 展覧会の初日に、朝日新聞埼玉支局の記者の方に取材をして頂き、22日の埼玉版の朝刊に記事を掲載して頂くことができました。(昌寛さんは、埼玉在住なのです)見出しは「根付彫刻、父が師匠」。親子で並んで、にっこり!の写真が載りました。首都圏版での扱いではなかったものの、やはり、新聞をご覧になった方からのお問い合わせも、たくさん頂き、新聞の力は、やっぱり凄い!と感心するばかりです。はじ めて根付を眼にするという御客様も多く、本当に有り難いことでした。
 基本的に、開店から閉店まで、ずっと会場につめていた昌寛さん。皆勤賞です。「1日の終わり頃、疲れてきて、会話の途中で頭がグルグルする・・・。」と言いながら、頑張っていました。刺激に満ちた10日間。お疲れさまでした。
 会場へご足労下さいました皆様に、篤く御礼申し上げます。ありがとうございました。今回の展覧会で得られた経験を糧にして、来年、また展覧会を開催したく思っております。今後とも、御指導のほど、何卒、宜しくお願い申し上げます。
●昌寛さんの初個展●2007/5/19
  斎藤昌寛さんの初個展がはじまります。準備期間は、長かったようで、あっという間でした。作家さんにとって、個展というのは、楽しみでもあり、また恐くもあるのではないでしょうか。すべての評価は自分自身にかえってくるのです。醍醐味もまたそこにあります。
 今回の展覧会を通じて、様々な方の批評や反応が得られることを期待しています。そこから、作家にとって、新しい進むべき道筋も見えてくるはずです。
 この会期を終えた後の昌寛さんも楽しみにしているところです。
●現代根付も売ったり買ったり!?●2007/4/18
 展覧会の案内のページでも、御紹介をはじめましたが、ある方が長年手元に置いておられた現代根付師の作品をお預かりして、販売の仲介をさせて頂くことになりました。私共にとって、これまた初めての経験です。
 以前より、一度買った現代根付を売ろうと思うと、なかなか難しいというお声をたびたび御客様より伺っていました。古根付にくらべるとそれがどうも・・・と思っておられる方も多くおられるようです。時間がたてば、今、現代作品と呼ばれるものも、古いものになっていき、市場にも当然出てくるのではないか?とおっしゃる方もあります。ともかくも、現代根付も市場が形成され、愛好家の方が楽しく売ったり買った
り出来る場が整うことが、望ましいのは確かなことです。
 そうした様々なことを考えている時期に、今回の御縁をいただいて、個人が集めた作品の展示会を開催できることは、とても嬉しいことでした。ちいさな催しではありますが、すこしでも何か意味のある試みとなれば、本当に幸いです。
 水谷さんは、道具をモチーフにした物が、とても楽しく面白いと思いました。ご興味がございましたら、是非、展示会にお出かけ下さいませ。何卒、宜しくお願い申し上げます。
●着物のまわり●2007/3/31
 先日、着物雑誌の編集の方が訪ねてこられました。『七緒』という季刊の雑誌(プレジデント社)です。5月に発売を予定しておられる夏号で「ゆかた」の特集記事を企画しておられる由。仮タイトルが『来たれ!男前ゆかた』。花火見物などで、男性の「ゆかた」も良く目にしますよね。「ゆかた」まわりの小物として、提げものや根付も少し紹介して下さるとのことでした。2〜3個ですが、私共のところの物も載るかもしれません。楽しみです。
 お話をする中で、本当に着物を着る方々からすると、やはり使える・使いたい・提案したいと思えるような「根付」は、探してもなかなか無いのだそうです。古い新しいは別にして、「今の着物」で使ってみたいと思える物を望んでおられるようでした。『七緒』さんは、女性向けの雑誌ということもあり、男の着物・小物・根付などは、新鮮に眼に映ると言っておられましたが、「根付」を調べてみたら、恐いデザインが多くてびっくり!だったそうです。図柄が可愛らしかったり、優雅だったりする根付もたくさんあるとは思うのですが、たしかに見本で頂いた雑誌をめくってみると、まったく別世界!の感は否めません。女性と男性の違いはあるにしても、もうちょっと距離が縮まらないのか、どうにかならんのか!?と思ってしまいました。『着物にちゃんと似合う根付』と書くと変な感じですが、やっぱりそういう物も必要でしょう?『現代の男の着物界』ってどうなのだろう?ちょっとちゃんとしなくては!と思いました。
●伊勢・飛騨根付展、おかげさまで終了いたしました●2007/3/11
 今日、伊勢と飛騨の根付展をおかげさまで無事に終了することが出来ました。有り難うございました。伊勢から出品して下さった、紫苑さん・夏輝さん・忠克さんという3人の作家さんのデビューという位置づけの展でもあったので、少しほっとしているところです。今回の展は、朝日新聞と読売新聞の展覧会情報欄に掲載して頂けたので、(私達のギャラリーとしては)本当にたくさんの方々に御来場いただきました。一同、本当に感謝の気持ちです。ありがとうございました。「はじめて、根付の展覧会に足を運んだ」という御客様もけっこういらして、嬉しく思いましたし、お話を伺っていると、昨年くらいからテレビなどで根付に興味をもって・・・・・という方も多く、やはり「日本美術全般に対する再発見!」が流れとして、根底にあるように感じました。
 また、今回は、「栗」や「筍」などのシンプルな根付も数多く並んだのですが、とても好評で、日常生活の中で身近に根付を楽しみたいという方々が、かなりいらっしゃることもあらためて分かりました。嬉しいことです。ただ、日常の生活の楽しみ方としては、ストラップ的に提げることが、圧倒的に多いわけで、本来の根付の使い方である提げ物の留め具として、もっと生活の中に入っていけるように、そういう提案を考えていきたいです。
 伊勢と飛騨という伝統を受け継いでいく方々の今後の活動にも、本当に期待したいと思っています。伝統の上に、現代をいかに積み上げていくのか、楽しみです。
 今後とも、何卒、宜しくお願い申し上げます。
●漆の仕事●2007/2/27
 今更ですが、先日、『松田権六の世界』に出かけました。伊多呂さんと御一緒したのですが、会場を出てきて、「どうでしたか?」と作家さんに尋ねられると、なんだか試されているような気がして、しどろもどろになってしまいました。ただただ綺麗な物だ・・・と堪能したひとときでした。難しいことは抜きにして「美しい物」として完結していると思いました。漆の仕事は、日本的なものをたくさん内包していて、本当に美しく素晴らしいものです。眺めていると「何か忘れていた感覚」を取り戻せるような気持ちがします。(蒔絵を施された根付もいつか扱ってみたいと思いました。)
 会場で眺めながら、ちょっと変なことも考えました。素晴らしい漆工芸が、たとえば『箱という日常的な物』に施されているところが、とても大事なのです!漆による平面作品もあるとは思いますが、それよりも『使うことのできる日常の物』を技術の粋を尽くして、美しいものに昇華させていることが、素晴らしい感動を呼ぶのではないでしょうか。なぜなら、素晴らしい蒔絵の箱?と思ったら、ただの木のブロックに蒔絵を施してあった!?ということは、絶対に無いわけです。やっぱり蓋の開く箱であることが大事です。工芸と芸術の違いは、そういうところにもあるかもしれません。
 これもまた今更ですが、洋装文化を迎えた後の根付は、工芸と芸術の狭間にあり、大きく揺らいでいるのだなあと思いました。
●受賞!?●2007/2/7
 先日、イラストレーターの池田さんから、「根津の根付屋の記念Tシャツ」が、賞をもらったというお知らせを頂きました。なんでも池田さんが所属している「日本イラストレーター協会」という会の最優秀グッズイラスト賞!とのこと。あまりメジャーな会ではないので・・・・・とのことでしたが、まったく思いがけないことだったので、ちょっとラッキー!でした。
●根津根付●2007/1/27
 先日、ギャラリーコーナーに新しく「根津根付」という分類を作りました。
「伊勢根付」「石見根付」「飛騨根付」などなど、昔からの地方名をとった根付の分類をもじっての「根津根付」です。現代根付の普及や実用を提案するものですが、新しい試みとしては、作家の『銘』に重きをおかない!ということです。そうは言っても、一応の『銘』は入っていますが、『銘』に縛られることなく、自由にやれるものもあって良いです。本当は『銘』を入れないものもあったら良いと思います、あっても区別のための記号のような意味合いで良いかもしれません。
 昔の根付は、無銘のものの楽しさもあります。今は、作家銘がない現代根付というのは、ほとんどないのではないでしょうか。『無銘の現代根付』も、なんだか面白いと思います。天下の『無印良品』も、最初はホントの意味でブランドでない「無印の良い品」でした。それが、いつのまにか『無印』というブランドに成長したわけです。現代作家の根付でも、そんな出来事が起きれば・・・などと妄想するのは楽しいものです。『無印根付』!?
●もの?●2007/1/17
 1月25日発売のワールドフォトプレス刊『新製品民俗学2』にて、根付を掲載して頂けることになりました。『MONOマガジン』という雑誌の別冊です。この雑誌は、世の中に登場する『物(カメラや時計、鞄、文房具・・・等、いろいろです)』を次々と紹介している情報誌です。江戸時代に、もしこの雑誌があれば、必ずや『根付』も定番の特集になったことでしょう。いままでと少し違った視点で『現代根付』が見えてくれば、面白いと思っています。書店でもし、見かけることがあれば、是非!手に取ってみて下さい。宜しくお願い申し上げます。
●作品の魅力はどこにある?●2007/1/10
 年を越して、新しい亥年を迎えました。本年も何卒、宜しくお願い申し上げます。
 昨年末、新宿の根付教室の作品発表を拝見しに伺いました。皆さん、苦労しながらも、楽しそうに彫られている様子が伝わってきました。巧みなものもあれば、モタモタしているけれども、面白いものもあります。
 さて。作品の魅力というのはどこにあるのだろうか?と帰ってから考えていました。技術的に高度な作品が、必ずしも良い魅力的な作品ともかぎりません。絵画などで考えてみると、上手い絵が良い絵というわけではないのです。魅力のある絵、魅力のない絵は、技術とはまた違ったところで決まってきます。(もちろん下手な絵が良い絵というわけでもありません)『根付』ではどうでしょうか?どうも自分も技術的な部
分ばかりに眼がいってしまいがちです。古い根付の中には、実に素朴に彫られた物なのに、人を惹きつけて止まないような物もたくさんあります。現代根付は、技術至上主義ばかりになっているようにも見受けられます。自分自身も、細かい技術のあれこればかりがとても気になったりします。その反省もこめて、『根付』の見方にも、もうすこし寛い視野を持てたら、もっと豊かで面白くなるのではないか?と思ったのでした。豊かな眼を持ちたいと願います。
●空観デビュー展を終えて● 2006/12/20
 先日、根付作家のしょうじさん(銘・空観)の初個展を無事に終了することが出来ました。御来場下さいました方々、いろいろとお力添えをして下さった方々に、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 また一人、新しい作家さんが世に出ていきます。嬉しいことです。今後、どんな活躍をしてみせてくれるのか、楽しみです。
  毎回、根付の作家さんの「個展」というものを終える度につくづく思いますが、『根付』の個展というのは、作家さんにとって本当に大変なことです。何度も個展形式で、作品を発表するというのは、きっと不可能なのだろうと思ったりします。けれども、一人の作家の作品で、会場を構成して世界観を作る!というのは、とても魅力的です。見るほうとしては、こんなに楽しいことはありません。無理かもしれないと思いつつ、しょうじさんにも、また個展を是非!開催してほしいと願ってしまいました。
●もう一年、たったの一年!● 2006/11/18
「根津の根付屋」ウェブサイトを始めて、1年が経ちました。あたふた!しているだけで、毎日過ぎていきます。あれもこれも!といろいろと挑戦してみたいことは、たくさんあるのですが、ほとんど何も出来ていないような気がして、、、、反省しきりです。 このサイトの更新作業も、もっと確実にクリアしていきたいです。
 近頃、原点のような部分ですが、「根付」って何だろう?と考えることが多くなりました。芸術として表現として、工芸品として、実用品として、グッズ的な物として。「根付」にはいろんな引き出しがついています。
 たかが1年ですが、我々にとっては記念すべき1周年!!なので、御縁のあったイラストレーターの方と一緒に、Tシャツを作ってみました。豊昌の根付の図が元になっています。「なにやってるの〜!?」と笑われたり、怒られたりするかもしれませんが、気軽に楽しんで頂ければ、幸いでございます。よろしくお願い申し上げます。
●技法の継承● 2006/11/13
 村松親月さんの復元撥鏤展をおかげさまで、先日、無事に終えることができました。本当に様々な方々の御世話になり、感謝を致しております。
  人から人へと伝わっていく様々な技術。その鎖が、一度途切れてしまうと再び繋ぐためには、とんでもない努力と時間が必要になります。数十年の作家人生をかけて、撥鏤技法の復元に挑み続けた親月さんの意志の力に圧倒される想いが致しました。今回、染め付けの実演も行って頂き、たくさんの作家さんや愛好家の方々が御参加下さいました。インド茜を使っての象牙の染色の技術が、次の世代の作家の手によって、バト
ンリレーのように繋がっていくことを願います。
  会期中には、いろいろと親月先生から貴重な昔のお話を伺うことも出来て、考えさせられることも多かったです。今の時代に「日本人の手の仕事」に関わるということの難しさ、大切さ。課題も山積みですが、自分が何をどう考えていけば良いのか?本当に向き合わなくてはいけないと思います。
●帯留展を終えて● 2006/9/17
 先日、陶とガラスの帯留の作品展を終了しました。帯留の展覧会は初めてでしたが、とても良い勉強になったと思っています。御来場下さったお客様や作家の方々から、様々な御意見やアドバイスを頂くことが出来ました。有り難うございました。美術工芸の愛好家の方からは、過去の名品に学ぶことの大切さを伺い、また、今の着物に携わっておられる方々からは、現代流の帯留のあり方を教わりました。
 過去の名工の残した素晴らしい帯留の世界と現代流の着こなしにあった楽しい帯留の世界。一見すると両極のような印象を持ちますが、言えることはどちらも、それぞれの「理にかなった物」という事です。工芸品というのは、やはり使われてこその物。当たり前のことかもしれませんが、「理にかなって美しいもの」であることが大切なのだと思いました。
 帯留も楽しい物。ここから続けて勉強して頑張りたいです。
●偉大な根付ディーラーの足跡● 2006/8/27
 先日、「マイナーツハーゲン・カード・インデックス」という根付の貴重な資料を目にする機会をいただきました。イギリスの根付ディーラーが、一万点を越える根付の「スケッチ・銘・解説・・・」などの情報をカードにまとめたものの本で、手書きの絵や文字の膨大な量に、ひたすら圧倒されました。膨大な根付を扱い、そのデータをまとめていく作業を想像すると、根付という物には、やはり「魔力的な魅力」というものがあるのだと思いました。ちょっと恐ろしいものが潜んでいるような気配すら感じます。根付を愛してやまなかったであろう一人の偉大なディーラーの足跡に触れて、本当に思うところが多かった一日でした。
●デザインの真髄● 2006/7/22
 先日、スポーツカー・デザイナーの方の番組をテレビで見る機会がありました。物のデザインに対する考え方、デザインという事の真髄を垣間見たような気がして、嬉しくなりました。『ただのデザイン的な美しさ(デザインのためのデザイン)は、見せかけの美しさに過ぎず、機能的な理由から生まれたデザインには説得力が強くあり、そしてとても美しい。』という意味の言葉を聞きました。根付の持つデザイン的な美
しさや面白さに、皆驚き、心を奪われるのだと思いますが、江戸時代の根付のデザインこそ、機能美であり、説得力のあるデザインであったのだと思うのです。実用的な役割を離れつつある現代の根付でも、真に説得力のある美しく面白いデザイン・機能美が宿れば素晴らしい!そう思うのです。
●「スカイパーフェクTV」見ました!● 2006/7/10
 最近、根付に関する番組が続いています。NHKで放送された「美の壷」もとても楽しめました。今、ケーブルテレビ(スカイパーフェクTV)でも「根付」の番組を放送しています。番組の制作をなさっておられた期間に、ちょうど私共の店で「陶根付展」を開催していた事もあって、幸運にも、番組の中で取り上げて頂いています。もちろん!メインは、「美の壷」にも出演しておられた根付研究会の渡辺会長と現代根付師の美洲先生ですが、楽虫さんや安剛さんも思いがけず紹介していただきました。予想しなかっただけに、びっくりで嬉しくなりました。いずみさんに至っては、初の陶根付展で取材を受けたとあって、本当に出演して良いものか!?恐れ多いことと思いながらも、願ってもないチャンスを頂けたと、作家共々感謝しています。ありがとうございました。(ただ、自分がちょこっとコメントしている部分があり、最初に見る時は、逃げ出したくなりました!家族で番組をずっと見ていって、いよいよどうも自分が映りそうだ!!という時には、思わず、一度、隣の部屋まで逃げました。。。。。何か、質問に対してまったく答えになっていないような事をコメントしていて、情けないのでした。)
 もし、機会があれば、番組をご覧になってみて下さい。いろいろ至らない点もあるかと思いますが、宜しくお願い申し上げます。これを機会に、一同、気を引き締めて頑張りたいです。ありがとうございました。
【アクトオンTV『和の逸品〜根付』】
●陶磁器根付のこれから● 2006/6/18
 先日まで、開催しておりました北澤いずみさんの陶根付展も、おかげさまで無事終了いたしました。陶磁器ファン・根付ファン、どちらの方々からも様々なアドバイスを頂けたことに、大変嬉しく感謝をしております。本当に有り難うございました。陶磁器の持つ性質上の長所と短所、そのことを十分ふまえて、先へ進めていきたいと願っています。陶磁器ならではの楽しさや魅力にあふれた世界を開拓したいです。
 展覧会の最後には、いずみさんにとって、ちょっとした御褒美がありました。スカイパーフェクTVで、ちょうど「根付」の番組を企画しておられたようで、運良く取材をして頂くことができました。新人作家にとっては、あまりある光栄です!これを励みにして、精進し、少しでも魅力ある作品を手掛けていきたいと、作家共々、願っております。今後とも、何卒、宜しくお願い申し上げます。
放送予定など詳しくはこちら>>【アクトオンTV『和の逸品〜根付』】
●陶根付展、始まりました!● 2006/6/1
 昨日から、いずみさんの陶の根付の展覧会が、始まりました。現代作家の作る「陶磁器根付」が、ほとんど無いという事を聞いて「ならば手掛けてみたい!」と思ったのが、1年ほど前のことでした。ギャラリーに出入りをして下さっていた北澤さんを捕まえて、是非!是非!と勧誘したのが、はじまりです。
 根付の素晴らしいところは当然のようなことですが、小さな中に様々なことが、凝縮しているところです。そういった意味では、陶の根付には「陶芸の魅力」が、ぎゅっと詰まっています。作家の手が作り出した造形のことはもちろん、土のこと、釉薬のこと、焼成のこと、、、、すべてが小さな中にあるのです。陶芸のファンの方にも、とても楽しめるものと思います。
 先日、雑誌「目の眼」のバックナンバーに掲載されていた『陶器根付・アシュケンコレクション』の記事を読んで、素晴らしいものだと感心しました。図版に使われていた「仙人」の陶根付の完成度。。。陶の作家さんの中から、根付を手掛ける人が何人かでも出てきて、高めあって、魅力的な世界が生まれれば、本当に楽しいだろうと思います。
 根付愛好家の方々にも、陶芸愛好家の方々にも、御高覧頂き、様々なご批評を賜りたく思っております。何卒、宜しくお願い申し上げます。 
●根津・根付彫刻展を終えて● 2006/5/10
 先日、「根津・根付彫刻展」をおかげさまで無事に終了致しました。御来場・お問い合わせを頂きましたお客様に、厚く御礼を申し上げます。本当に有り難うございました。
 今回の展覧会では、三昧さんや昌寛さんなど、先輩作家の方々に招待作家として、参加をして頂き、その作品に触れることが出来たのが、とても良い勉強、経験となりました。「糧」にしていきたいと思っています。
  最終日の翌日に、展覧会の後片付けをしておりましたら、展にいらして下さったお客様が訪ねて来られて、一冊の文庫本を貸して下さいました。渡された「孔雀狂想曲」(北森鴻著 集英社文庫)という、その本の中に「根付け供養」という短編がありました。読み物としても面白く、現代根付と古根付の間にあるものについて、見事に「的」を得たところもあり、秀作!と思いました。 
●雑誌Bien・根付特集号出ました● 2006/4/24
 藝術出版社から出ている雑誌「Bien」の38号がでました。今回の特集は『触れろや、遊べや!根付・驚異のミクロ世界』とのことで、たくさんの根付が写真で紹介されていて、眺めるだけでも楽しい一冊です。Bienの根付特集の良いところは、古典も現代も両方が、紹介されているところ。美洲さんのような現代根付の先駆者へのインタビューから、展覧会情報、愛好家の方々の所蔵品の紹介まで、幅広く楽しめます。
 そして今回は、私達の活動も紹介して下さっています。『特別座談会 in 花影抄』として、コメントや作品紹介も載せてくれました。さらに、伊多呂さんへのインタビューもありました。私が読んでも、伊多呂さんはそんな事を考えていたのか〜!と思うようなところもあったりして、手前味噌的ですが面白かったです。
 古典根付と現代根付の数々について、図版を見て、文章を読んで、いろいろ考えて、、、、、私たちも頑張ろう!と気持ちを新たにしました。
 「Bien vol.38」特集[触れろや、遊べや! 根付・驚異のミクロ世界]は、もうすぐ始まる「根津・根付彫刻展」の会期中、会場で販売します。宜しければ、是非!お求め下さい。何卒、宜しくお願い申し上げます。 
●楽虫展を終えて● 2006/3/24
 楽虫さんの根付師としてのデビュー展も、おかげさまで無事に終えることが出来ました。お忙しい中を御来場下さいました皆様方、遠方よりインターネットを通じてお問い合わせを下さいました皆様方、また様々な形で展覧会のためにお力添えを下さいました皆様方に、一同、心より感謝をし、厚く御礼申し上げます。これから、作家共々、益々精進し、皆様に楽しんで頂ける作品を送りだしていきたいと願っております。本当に有難うございました。
 展覧会の期間中、思いがけずNHKの方がテレビカメラを担いで、取材においで下さいました。4月から始まる「プライスの謎」という番組名だったと思いますが、その中で、食玩のコレクターをテーマにした企画を制作中と伺いました。食玩コレクションのルーツの紹介で、「根付」の資料画像を撮りたかったということでした。長くてもほんの30秒ほどとのことですが、ちょこっと放映されるかもしれません。ちょっと楽しみです。カットされているかもしれませんが・・・。
●楽虫根付展をひかえて● 2006/2/28
 3月8日水曜日から、楽虫さんの展覧会を花影抄でいたします。
 個展開催をひかえ、作家さんとも頻繁に連絡とる中で、その作家や作品への理解が深まっていくことがよくあります。楽虫さんの作品についても「古い伝統に重きをおいて制作している。そういう作品」というイメージを強く持って接していました。自分の中で作品を見る時に固定観念があったのだと思います。ところが、つい数日前のある瞬間から、ガラッとモダンなデザインに見えてきました。伝統的な仕事に敬意をはらい、それを目指しながらも、そこに新しさや自分らしさを加えていくことは出来る!そのことを実感できたのは、何かとても嬉しいことのように感じました。『根付らしい根付』でありながら、現代的な気分もそこに投影させる。古典を回顧しながら、新しい何かを生み出していく。古典と現代を繋ぐ、、、、「楽虫根付」というのは、そういう仕事になっていくのだろうと改めて思いました。
 初日まで、もうあと数日です。
●はてさて、干支?● 2006/2/11
『ばたばたしているうちに、早くも2月になりました。お正月明けに開催しておりました『干支根付展』の整理をして、すみやかに!このウェブ上に作品を公開していかなくてはならないのですが、どうももう少し時間がかかりそうです。これから順番にアップしていこうと思っています。宜しくお願い申し上げます。
 さて。先日、ちょっと大きな書店に行きましたら、『十二支 〜易・五行と日本の民俗〜』という本を見つけたので、手に取りました。干支というのは、なんとなくは知っているものの、本当のところ、よく知りませんでした。干支ってなんだろう?これを機会にちょっとかじっておこう!と買い求めました。易や陰陽五行などの基本的な知識が頭に入っていないので、少し苦労しつつ読み進めています。旧暦から新暦への移行、明治期における識者によって陰陽五行のシステムが科学的でないとして否定されたことなどから、私達の実生活の中から十二支のシステムは効力を失ってしまったようです。それ以前の時代では、暮らしの中の様々な事が『十二支』を軸に回っていたのです。根付題材にも、干支関連のものが沢山残っていますが、きっと『干支』に対するこだわりは、現代よりももしかしたらずっと強かったのではないか?とも思いました。年男・年女・・・自分の干支のことをリアルに感じていたのに違いありません。ちなみに個人的なことを言えば、私は「子」年。「子」とは「了」と「一」、終わりと始まりをひとつに束ねるところだそうで、なるほど!でした。皆さん、すでになさっておられるかもしれませんが、自分の干支の動物を調べてみると、ますます「干支の根付」に愛着が増すかもしれません。
 今回は、横道にそれた『干支』の話題でした。おつきあい頂いて有難うございました。
●極める 〜掌中の珠・根付に秘められた江戸美学〜● 2005/12/22
 以前から、いろいろな方とのお話の中などで、美術工芸のテレビ番組『極める』の中で、現代根付作家の糟谷一空さんが紹介された放送のことを伺っていました。その番組を見て、根付師になろう!と思った方もあるそうで、どんな内容なのか!?と興味深々でした。機会があれば、是非、見てみたい!と願っていたのですが、今回、作家さんからビデオに録画したものをお借りすることが出来ました。
 平成6年の放送とありますから、11年前の番組です。
 過去の名品の数々、懐玉斎・法実・亮長・東谷・・・などが回転台に乗ってゆっくり回りながら、根付文化の紹介などが流れ、本当に分かりやすく、魅力を伝えてくれます。「根付って、すばらしい!」と素直に思えてきます。
 それから、現代作家の糟谷一空さんが、黄楊を小さな角材に切り落とすところから始まって、ひとつの作品に仕上げるまでを追っていきます。染めの工程や、実際に細かい彫りを刻んでいくところなど、見ていてわくわくしました。「漂流の森」と題されたその作品は、森の樹木を身に纏った貝が、空に向かって羽ばたこうとする姿を彫り上げた現代的なものです。
 番組の中の糟谷一空さんの言葉。「根付に限らず工芸は、使い手と作り手の密接な関わりあいの中で育ってきた、それが現在、作り手はいるが使い手は皆無、こういう時代において、どうしたら良いか、その辺が一番の悩み。」10年前から、このあたりの問題を抱えてきたこと、作家さんたちの長い挑戦を想いました。
 ただ、番組の中でも「江戸末期より、根付は提げ物から彫刻作品として独立して、「贅」を尽くした根付を手のひらに握る楽しみ・・・」うんぬんという紹介もあり、やはり、手のひらで楽しむ芸術品という方向は昔から、しっかりあったのでしょう。
 今回、10年前に作られた番組を見て、一番感じた事は、提げ物と決別し(実用と決別し)小さな芸術品への道を目指す姿と、いつの間にか使ってくれる主人がいなくなってしまった事へ戸惑い。ずっとバトンリレーをしてきた「宿題」をついに自分も受け取ってしまった!そんなふうに感じたのでした。さて。このバトンを持って、私達はどこへ走ろうか。
●「高円宮コレクション」から● 2005/12/3
 銀座松坂屋にて開催されていた「宮さまの作品とコレクション展」に行ってきました。三年前にお亡くなりになった高円宮殿下をしのんでの展覧会。ご遺品の数々や写真なども様々展示されていましたが、もちろんお目当ては、根付のコレクション。
 現代根付をひっぱってきたのは、「高円宮コレクション」と「キンゼイコレクション」であったと言って良いでしょう。この二つのコレクションが双つの璧となって、現代作家の根付を守って育ててきたのです。こうして一堂に並んだ現代根付の数々を眺めると本当にそう感じました。これはもう「現代根付の歴史」を見ているようなもので、なんとも言えない気持ちになります。ひとつひとつを見ていくと、それぞれの作家の脂の乗った見事な仕事ぶりのものも沢山あり、また作家としてこれから!という時期のものもあり、一人のコレクターが作品を集めていく時の気持ちまでも想像させてくれます。先ほど、このコレクションが現代根付の歴史であると書きましたが、今更の事ですが、コレクションはそのコレクターの実に個人的な歴史であるわけです。古い美術品のコレクションの場合は、その作品それぞれに既に歴史があり、それが魅力でしょう。けれども現代作品のコレクションの場合は、少し違うかもしれません。生まれたての現代作品の場合、まずは、それぞれがその作家とコレクターの間にある「人の歴史」であるのです。作品その物が歴史を持つまでには、それから後、作品が人から人へと渡り歩いて世間の波に揉まれなくてはなりません。
(。。。。横道にそれてきたので、戻します。)
 もうひとつ今回の展示を見て、あらためて感じたのは、「実用の物でなくなった根付の存在意義」です。個々の作品についてはそれぞれですが、全体として、現代根付の二つの重要なコレクションが、「小さな芸術としての根付」という流れの中で形成されていることは確かです。「実用的であること」と「芸術的であること」この二つが「根付」の大事な要素であると思いますが、どちらかと言えば後者に重きがおかれてきたわけです。着物文化の衰退と共にそうなってきた事は当然の結果ではあるものの、着物文化が見直されているこの頃、もういちど「真に実用を目指す根付」という、もうひとつの道の探求も、また魅力に見えてきたりはしないでしょうか。
 「二兎追う者は、一兎をも得ず!」と申しますが、元々根付は「双頭の兎」、やはり「実用的でありながら芸術的」なものが、それは最良でありましょう。
 本当に日々実用される根付のことは、真剣に取り組んでみたいもののひとつです。

 宮様のコレクションを拝見しながら、さまざまな思いが脳裏を駆け巡った週末でした。
●伊多呂根付展を終えて● 2005/11/18
 花影抄で開催しておりました、伊多呂さんの個展をおかげさまで、無事に終了することが出来ました。
 まずは、御贔屓にして下さる愛好家の方々をはじめ、様々なかたちでお力添えを下さった皆様方に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
  「根付彫刻」のように一つの作品に手がかかり、沢山の数が作れない物の場合、個展開催の10日間あまりというのは、いろんな意味で大変凝縮した日々となります。半年から1年の時間と労力を費やした作品の数々を数日間で、大げさに言えば「世に問う」わけです。その期待感と緊張感。御来場下さるお客様の数の多いのも少ないのも、作品に対する賞賛・批判などあらゆる批評も、すべて自身の元に返ってきます。その事に厳しいこともたくさんありますが、本当の充実感があるのだと思います。個展は今の自分を映す鏡なのです。そういう凝縮した期間だからこそ、時に作品を通じて、作家とファンとの間で感動的な対話が生まれるようなこともあります。(端で聞いていて、本当に良いお話を聞かせていただいている、と思うこともあるのです。)
 作家は普段、一人でこもって作品制作に向き合うことが多いものです。一年に一度、個展会場という開かれた場に身を置き、さまざまな人と接することは、また新しい創作への糧となることでしょう。
 根付に御興味のおありになる方は、是非、個展会場へ足をお運び下さい。作品の作り手とやりとりをする中で、また新しい発見があるかもしれません。根付の制作者と直接会って話しが出来る、これが現代作家の根付彫刻の一番の魅力だと思います。
●伊多呂 "根付 第2回 個展" 目前!● 2005/11/1
 「根津の根付屋」の本体である、ギャラリー花影抄での、伊多呂さんの2回目の展覧会の開催がいよいよ迫りました。様々な計画や準備も、ここまでくるとほとんど済んで、後は流れに乗っていくだけなのですが、どうにも落ち着かない心境です。
 今回の展覧会は、個々の作品の充実度を高めていくことはもちろんの事、展示全体、ひいては制作スタイルまで含めたようなことで、何か表現に取り組めないか?ということを伊多呂さんと考えながら計画を進めてきました。制作活動の大きな枠組みでのテーマ性への挑戦です。あれこれお話しをする中から、私たちは、何年もかけての制作活動の流れの中で「古今東西百物語」というテーマを掲げ、連作に取り組むことを
目標にしました。作品が個々に存在するのではなく、連なっていくことで見えてくる深さや広がり、楽しさもきっとあると思います。根付彫刻による新しい表現の可能性を探してみたいのです。
 初日は、11月2日(水)。御来場下さるお客様に、新鮮な驚きや楽しさを感じて頂ければ、幸いです。
●本日開店!! よろしくお願い申し上げます● 2005/10/17
 このたび、ウェブ・ショップ『根津の根付屋』を開店させて頂くことになりました。
 おそるおそる、、、、の第一歩です。使い古されたような表現になりますが、私達にとっての小さなこの一歩が、将来、大きな意義のある一歩となっているように、作家共々、皆で頑張っていきたいと思っています。
  「根付」というものを奥深く御存じの方もたくさんおられますが、残念ながら、まったく聞いた事も無いという方のほうが、だいぶ多いのではないでしょうか。小さな造形の中に、知恵や工夫を凝らす「根付」は、ある意味で日本人の本質的なものの結晶です。その「根付」が、この日本でより海外での知名度のほうが高いのは少し残念です。
 斯く言う私達も、根付作家の伊多呂さんと御会いするまでは、ほとんど知りませんでした。初めて「根付」という物を目にして触れてみた時の驚きや楽しさは、格別のものでした。「こんな面白いものがあったのか!?」と。少しでも多くの方々に、その感動をお伝えしていきたいのです。