| ●根付とは? |
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根付とは、小さな中に精緻な細工がほどこされた、彫刻品です。
もともとは、江戸時代、武士や町人たちが、巾着や煙草入れ、印籠などを帯に吊るす時につけた滑り止めのための小品でした。「提げもの」と呼ばれる袋ものや印籠の図柄などとの組み合わせで、デザインやモチーフによる遊びやひねりも楽しみました。粋な男性の装飾品、アクセサリー的な要素も強かったことと思われます。 |
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手の平におさまるような彫刻作品ですが、装身具として実用に耐えうるように、フォルムやサイズ、あるいは紐を通すための穴をあける、また手にとって眺められるよう上下・裏表どこからも見られても作品として完成している事などの制約があります。そこが根付と、ただの小さな彫刻の作品との違いです。掌の中で転がして観賞する、というような彫刻品は、他に類がないのではないでしょうか。さまざまな制約のある中で、工夫を凝らすことで、独特の世界観を作ってきたのです。小さな中に「世界」を凝縮するという行為は、古来から日本人の独壇場です。
ひねりと洒落も、根付の重要な要素です。思わず肩の力が抜けるような滑稽さ、愛らしさ、あるいは、粋の世界とでもいうような、洒落っ気のあることも、根付の持つ大きな魅力のひとつです。 |
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着物と根付
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ジーンズと根付 |
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根付に使われる素材は、木材(黄楊・黒檀・檜・桜・一位材など)、動物の角や牙(象牙・鹿角・マンモス、猪の牙・水牛の角など)、陶磁器、ガラスなど、様々です。
モチーフとなるものも特に限定するものもなく、大変自由なものです。例えば、動物・妖怪・神様・伝説の人物から、文化風俗・現代的な造形美に至るまで、あらゆる物が作られてきました。どんな題材が「根付」にふさわしいのかは、愛好家にとっても、作家にとっても、大きな関心事ですが、その時代の空気を反映したようなもの、あるいは伝統的な中に何か新しいものを注いでいく、それこそ様々な作品が今後も生まれていくことと思います。 |
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| ●根付の歴史 |
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| 根付は、文化文政年間(1804
- 1830)に、その最盛期を迎え、遊び心溢れた実用品として、身分を問わず広く愛されました。 |
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明治以降、服装が着物から洋服へと変わるにつれ、根付の需要も減りはじめます。ところが、この頃、鎖国を解いた日本を訪れた欧米人たちの目にとまることとなりました。明治政府は、美術品として海外に輸出することを奨励、以降、根付は小さな美術品としての道を歩み始めます。美術蒐集家のコレクションの対象となっていったのです。現在でも、海外に愛好家が多く、名品の数々も海外の美術館などに多数収蔵されています。(海外での根付に対する評価とは異なり、日本国内での認知度は、まだまだ低いのが現状です。) |
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| 1970年代から根付の世界にも新しい動きが見られるようになりました。一部の愛好家と作家によって、現代の美術的な根付作品が作られ始めたのです。それによって、素材やモチーフデザインも多様化しました。現代的な題材や新しい素材への挑戦も続いています。 |
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| ●根付の今 |
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着物を着なくなった現代では、実用の物としての「根付」は滅びつつあるというのは、一般的な認識と思います。しかし、ちょっと視点を変えて考えてみると、「ケータイストラップ」も「キーホルダー」も元を辿ると「根付」に行き着くのではないでしょうか?日本人は、本当に小さな物をぶら下げて遊ぶのが好きです。外国の携帯電話には「ストラップ」をつけるための穴がない物もあるそうです。
小さな物を愛おしみ、生活の中で共に過ごして楽しむ、そういう心が昔から受け継がれて、今の世にも生きています。「ちび盆栽」を育てる人、「お菓子のおまけ」を集める人、「ストラップ」をジャラジャラと鈴なりにつける人、皆、同じ心根かもしれません。根付はそういう心情の結晶であると思います。 |
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いわゆる「根付」としての使い方が、実用的ではなくなった現代でも、秘かに身につけて実用し楽しんでいる愛好家の方々もいらっしゃいます。過去の物としてでなく、日常に取り入れて楽しむのも、古くて新しい試みと言えるかもしれません。使う、あるいは身につける事で、根付の表情も活き活きとしてきます。是非、お勧めしたいと思います。生活の中で気軽に身につけて楽しめるような作品も『根津の根付屋』では広く取り扱っていきたいのです。
現代において、根付がどんなものであれば良いのか?皆様のお声を伺い、作家の方々の意見を聞きながら、考えてまいりたいと思っています。 |
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