曼陀羅ケ淵の河童

題名
曼陀羅ケ淵の河童
サイズ
径4.1 x 1.8 cm
素材
鹿角
価格
販売済
制作年
平成24(2012)年
管理番号
ang12111701
備考
解説
西武新宿線の東村山〜所沢間で、下り車線右側に持明院というお寺が見えます。その崖下には柳瀬川の曼陀羅淵と呼ばれる深みがあり、昔、河童が住んでいたそうです。持明院には「今後、人間の生き肝を取るような悪いことはいたしません」という内容の河童の“詫証文”が残されていましたが、明治17年の寺の火災で焼失してしまったそうです。根付の裏側には、水神祭りの総本山、祇園八坂神社の神紋で、胡瓜の切り口に似ているといわれる木瓜紋、脇に三つ追い茄子紋と河童の好物を配しましたが、この根付の素材である鹿の角は、河童の嫌いなモノのひとつだそうです。また、河童の起源説のひとつに「左甚五郎がある大名の館を建造中、期限が切迫するや藁人形をたくさん作り、それに命を吹き込み大工に変え、工期に間に合わせた。用済みとなった大工たちをわら人形にもどし、川に流した。これが河童へ化生…」というのがあります。この根付は、護岸、水流緩和を目的とする蛇籠の上に乗る河童を彫っていますが、「河童のイメージの背後には、土木・治水工事に携わる下積みの“川の民”の姿が見える」と言われる方がいまして、私もこれに賛同しております。(安剛)

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