永島信也展 2013
狭間の世界で無垢を抱く

2013年2月23日(土)~3月3日(日)
休廊 2/28(木)
13:00~19:00

動画サイトYouTubeの「永島信也展2013 狭間の世界で無垢を抱く」のギャラリートークムービーへ。 →1→2→3




●永島は制作を手掛け始めた当初より、自分と周りの世界との関係おいて、
居心地の悪さ、座りの悪さのようなものを感じてきたのではないか?
美術大学で学ぶ中では、まわりが大きな作品を制作する中で、自身は小さな作品こそ制作したいという欲求を持つことの違和感があり、卒業後の現代根付制作を手掛け始める中では、生粋の根付愛好家ではない外から根付の世界に入っていく自分の立場について。
彫刻と工芸、根付とフィギュア、美術とサブカルチャー。常に自分を挟む2つの世界に向き合ってきた永島は、自分が借り物なのではないか?という不安やバツの悪さのようなものを感じているように思うことがある。
作品内容を観ると、制作を始めた当初は「擬態」という言葉がひとつの鍵になっていたのだが、次第に「狭間」「境界」などの言葉が目立つようになってきた。これらの言葉は、永島の制作スタイル、存在・立ち位置・関係性、それらをよくあらわしているように思う。
今回の展覧会のタイトルにも、永島の想いがこもっているだろう。
狭間を彫り貫いた先に新しい世界を見いだせるのか、その世界は「儚く、つめたく、柔らかな」ものであるに違いない。

出品点数は10点ほど、「白い鹿角を素材に用いた冬っぽい展示になります」とのこと。
ご期待下さい。

Gallery花影抄 橋本達士


●作家の言葉 永島信也
「狭間、それはどこにでも存在している。それは誰にも気づかれず存在している。
その先ある、まだ生まれたばかりの世界に、まだ何にもなれていないものたちがいる。

花影抄での個展は4回目ですが、その度に自分の中にある変わらないものがあることを強く実感します。
やはり、自分は幻想の世界、精霊や神などの存在に憧れがあります。
今回はそのような自分の芯の部分を過去の展覧会とは違った形で表現してみました。
儚く、つめたく、柔らかな存在を感じていただければと思います。」