かわさきみなみ展
「子犬ココロ」

2016/7/16(土)~24(日)
※7月19日(火)休廊
13:00〜19:00(最終日は18:00迄)





■作家のことば

今回の展示のイメージは、大きい犬のまわりを、すごく小さい犬が囲んで
自由に過ごしている風景を思いついて、これを形にしたら大きさの対比が
面白そう、と思ったことから始まりました。

子犬の気持ちの回転は特に早そうです。ころころころころ気持ちが入れ替
わって、新しい自分を生み出しながらどんどん成長していく。私はいつか
らか、時間が流れていることと、気持ちが変化していくことが気になって
いて、作品をつくることで、とらえようとしています。

そして、作品にするたびに流れる時間の中で、自分の気持ちをどう持って
いたいか、その時に一番いいと思う形を考えます。子犬のように、敏感に
心を動かして、どんどん作家として自分も成長していきたい、今はそんな
思いがあります。

かわさきみなみ


■展覧会によせて

2012年に、女子美術大学 絵画学科 洋画専攻を卒業したかわさきみなみは、
羊毛を用いた作品を中心に、精力的に毎年制作、発表してきました。
今年2016年4月には、青山のスパイラルガーデンにて個展を行い、これまで
の作品とアトリウムスペースでのインスタレーションを展示、延べ6000人に
及ぶ来場者で賑わいました。

今回の個展では、このインスタレーション制作のもとになったドローイング
を更に掘り下げ、流れる時間の中で、自分の気持ちをどう持っていたいのか、
ということをテーマに展示をします。

かわさきの作品は、その犬の表情、様子から、見てくださる人の心の内をくす
ぐり、動かすような魅力を持っています。見る人のこれまでの記憶を少し引き
出し、思い出してもらうという事が、今かわさきが最も関心を抱いている「時
間が流れていく中での気持ちの表現」につながっているのではないでしょうか。

羊毛作品の習作として、紙粘土でも作品を発表しているかわさきですが、今回
新しい素材として、小さい作品でも、しっかりとしたものになるように、石粉
粘土を選びました。考えている個展の展示イメージでの大きい犬と、小さい犬
の対比をどのように見せてくれるのか楽しみです。

Gallery花影抄/木塚多賀子