PROFILE
作家紹介
現代根付運動の先駆者
S字曲線に見る造形の定理
西洋と東洋、彫刻と工芸、抽象と具象の融合
美洲は1970 年代に始まった、新しい芸術的な根付を創りだそうとする「現代根付運動」の中で、中心的な作家として斬新な現代根付作品を発表してきた作家の一人です。
東京の下町で江戸時代から続く象牙彫刻の家に生まれ、家業の四代目として職人の世界を間近にしながら、同時に上野の西洋美術館や東京国立博物館などで美術工芸に親しんで育ちました。
この環境が作家独自の制作の源となっています。
現代根付というジャンルが生まれた直後には、西洋美術の抽象的なフォルムと根付彫刻の間にある類似性を表現として取り入れた根付作品を発表してアメリカのコレクターを中心に高い評価を得ました。
その後も、彫刻的な表現と工芸的(根付としての)表現について一貫して問い続け、非常に個性の強い独自の理論に基づいた根付の造形表現にたどり着きました。
その造形が目指しているものは、手のひらに納めるほどの小さなサイズの根付彫刻が、大きな彫刻作品に負けない彫刻的な魅力(動きや量感や存在感、美しいバランスなど)を持ち得る表現にたどり着くことでした。
美洲の作品の特徴である大きく捻じれた形や片自足だけでバランス良く自立する造形などにはそのような理由があります。
齋藤美洲ポートレート SAITŌ Bishū portrait
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2022年〜2024年 | 国際交流基金主催「現代・木彫・根付」展(海外巡回展覧会、記事とビデオ) |
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