ご挨拶

この度の感染症に対する営業自粛要請期間にあたり、齋藤美洲の個展は根津のギャラリーでは、開催することができなくなりました。足をお運びいただく御客様、作家本人、その身の回りの方々の安全を考えると致し方ないことではあります。本来、作家の喜寿をお祝いする意味合いもあったはずの今回の個展開催でした。

楽しみにしてくださっていたファンの方々のこと、力と時間を注いで個展の準備をしてきた作家自身の気持ち、またこの社会的状況の中でギャラリーに何ができるか、思いを巡らせて、インターネット上での作品発表を試みることにしました。
思えば、美洲は、50年ほど前に起きた現代根付運動という新しい潮流において先鞭をつけた人物の一人です。今回の混乱の中で、私達のギャラリーが試みる最初のインターネット上での作品展覧会が齋藤美洲であることは、心強くもあります。

美洲の作品の魅力は、根付造形に込められた力強い動きや勢い、そして、構図のまとまりです。新しい造形を目指しつつ、古典への熱い想いを持ち続けるその姿勢は、今回収録したインタビューでも垣間見ることができます。是非、一人でも多くの皆様に、美洲作品の魅力を存分にお伝えし、お楽しみいただければ、作家共々、大変幸いです。

Gallery花影抄/根津の根付屋 橋本 達士

作家の言葉

個展によせて

ここ十年近く、毎年、個展や大きな催事に出品し続けて来ました。
展示とは皆様に観て戴き評論を得るのと同時に、自分自身を見詰めるものと思います。
今回は「古へのオマージュと現代と」と題し、私の古典作品への畏敬と理解、そして今日の自分は?との命題で新作を発表します。

気が付けば、私 すでに喜寿。

現在、世界中が新型コロナウィルス禍の真っ最中。会場での展示が不可能なため、インターネット上にて、ご高覧戴く事になりました。
今後、世の中が大きく変わることが予想され、これも新しい試みかもしれません。

令和二年 卯月吉日
齋藤 美洲

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