三種の神器 良き時代

Sanshu no Jingi, Yoki Jidai (The Three Sacred Treasures of the Good Old Days)

題名
三種の神器 良き時代
大きさ
5.0 × 4.5 × 3.4 cm
素材
象牙 象嵌:べっ甲、アルミ箔、岩絵具
価格
販売済
制作年
令和3(2021)年
管理番号
mtk21122601
備考
京都清宗根付館 第9回ゴールデン根付アワード・優秀賞受賞
作家より
戦後から十数年、世の中は所得倍増の元、三種の神器を求め、 一生懸命働く活気ある営みが町中に溢れていました。 そこには、ミゼットに子どもらが荷台に乗っているような、のどかで、寛容な時代でもあったような気がします。 もしかしたら、猫が付けた爪跡も、笑い話で収まるおおらかさが、あったような……? なかったような……?  当時、多くの人々が慎ましくも生き生きと暮らした、懐かしき“良き時代”を背景に、庶民生活に三種の神器という、 “夢と幸せを運ぶ”三輪ミゼットと電気屋さんを根付にしてみました。
昭和30年代……未舗装の悪路を、小石を跳ね上げ、三輪ミゼットを軽快に運転する町の電気屋さん “ 壬生でんき ” 荷台には子供らを乗せて、三種の神器、テレビ・冷蔵庫・洗濯機。 そんな電気屋さん、幼少の頃は足こぎ三輪車で、壬生界隈の直角カーブを、 片輪浮かせ驚く大人の脇をどや顔で、 スイスイと走り抜けたご自慢の腕前。 今は三輪ミゼットに変わっても、当時を彷彿させる巧みなハンドルさばきは健在です!
ガタゴト揺れる荷台では、バッドマン扮するお兄ちゃんが、 洗濯機の中で、風呂敷マントなびかせ大喜び。 弟は、デストロイヤーのお面よろしく足を滑らせ、 床めがけ“ひとりバックドロップ”が決まり、ギブアップ!
一方、車の下に逃げ込んだネズミを追いかけ、勇んで飛び乗った野良猫は勢い余り、神風の如く敵陣ミゼットへ激突! その瞬間、目の中にキラキラ星が☆。 新品冷蔵庫には、爪が引っ掻いた四本の尾を引く“ほうき星”がクッキリ刻印! 程なくして、運転席のラジオから、ドジ猫に捧げるかのような流行歌が…… 「“見上げてごらん夜の星を  小さな星の 小さな光が  ささやかな幸せを祈っている~♪”」 呑気に聞き惚れて、幸せ祈られている場合じゃありませんっ! 爪跡が見つかる前に、ネズミは潔く諦め、他のささやかな幸せ求めて、ミゼットからさっさと撤退した方が良さそうです!(光訓)

※作品については、お気軽にお問い合わせください。