展覧会情報
Exhibition Information
狛 根付彫刻展 東方獣士伝
2024年10月5日[土]~13日[日] ※7日[月]休
13:00〜19:00(最終日は18:00まで)
作家在廊予定日:10月5日、6日、8日、10日、12日、13日
※全出品作品を根津の根付屋・狛ページにてご紹介中です。是非こちらからご覧ください。
【作家より】
根付制作を始めて12年になります。
もともと本名で彫刻家としての活動をしていた折、根付という不思議な工芸の世界に出会って、フラりと入門しました。技法も作法も知らない状態から、手探りで自分なりの「根付」を模索する永い日々でした。
最近になってようやく技術が身についてきたことと、根付のフォーマットで自分らしさを表現できるようになったことから、このたび初めての個展をすることにした次第です。
過去作に「座頭ブル」という作品があるのですが、これは僕の大好きな剣戟映画をモデルにして盲目の剣客をブルドッグの姿で表現したものです。パロディ程度の遊び心でしたが、これが自分の作品観にしっくりとはまり、その後もシリーズとして映画や物語の人物を動物で表現した作品を続けています。
モデルとした人物にぴったりと合いそうな動物を選ぶことで、その性格や人間性をより強調させることができると思っています。アニメやマンガにもよくある表現ですが、この一捻りを加えることがキャラクターがより深く愛されるような仕掛けとなり、とても根付の世界とシンクロするような気がしています。
今回の個展では、幕末を中心とした歴史上の人物の中から興味を引かれる人間たちを選び集め、動物の姿で表現した根付彫刻として発表します。
想像もつかないほどの激動の時代、彼らは己のアイデンティティを守るためにそれぞれの分野で戦いました。その強烈な個性を調べていくうちに、背景にあるエピソードと時代背景も知ることとなり、有意義な制作時間となりました。
最後に、これまで僕に作品の依頼をしていただいたお客様方に、厚く御礼を申し上げます。
特に作風を持たなかった僕に、みなさまが様々なお題でチャレンジをさせてくださったおかげで、今の狛があると思います。今回の個展はデビューから今までの成果報告のようなつもりで臨みますので、御覧いただければ幸いです。
(狛)
【ギャラリーより】
このたび、狛さんの根付作家としての初個展開催の運びとなりました。私どもにとって大変な喜びです。
彼は長く彫刻家の人見元基として活動する傍らで、狛という根付作家としても作品を発表してきました。当初は彫刻家の活動と分けるために覆面根付作家としてデビュー、その後、2016年 の板橋区立美術館「発信//板橋//2016 江戸ー現代」での展示より、彫刻家・人見元基/狛として活動しています。
動物や妖怪、サブカルチャーをこよなく愛していること(今回の個展開催にあたり、実は時代劇マニアでもあることを明かしてくれました)や持ち前のサービス精神など生まれ持った気質から、もともと根付制作にうってつけだったと思います。また人としてとても感情豊かな面があり、向き合っている題材やモチーフとの間での共鳴のようなものが生まれやすいように感じます。そのことも掌の中で愛でられる根付芸術に向いているように思えるのです。
美術大学での彫刻の勉強の中で身につけた優れたデッサン力と造形・彫刻の技術、西洋美術の美術解剖学的な知識(生物の骨格や筋肉の構造の理解)が根付制作の上でも役立っていることは間違いありません。
その上に、根付が本来持つ日本的な形のとらえ方・表現の仕方を融合させていくことは単純でない感覚的な苦労があり長年の試行錯誤を経て、今日に至ります。
今回、まさに満を持しての初個展で、狛さんの根付彫刻の表現を多くの方々にお楽しみいただけましたら、作家共々幸いです。
また作家の言葉にもありましたが、今まで多くの方々からの御依頼制作に取り組ませていただきました。そのひとつひとつが大きな経験の積み重ねや可能性を開くことにつながってきたと思います。この場をかりて、御礼を申し上げます。
(根津の根付屋/花影抄 橋本達士)
【ご来廊に関してのご注意点、お願い】
ご来店はご予約なしでお越しいただけます。
店内は換気扇を使用し窓を開け、サーキュレーターを各所に配置し、換気に気を付けております。
入店時の手指の消毒、マスク着用は作品を手に取り楽しんでいただく特性上、
ご協力をお願いしております。
体調に不安のある方は、ご来店をご遠慮くださいませ。
皆様のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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花影抄/根津の根付屋
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