雨には困り〼 野じゅく暫のそとね

Ame niwa Komari-masu Nojuku Shibaraku no Sotone

題名
雨には困り〼 野じゅく暫のそとね
大きさ
3.5 × 3.1 × 2.4 cm
素材
磁土
価格
販売済
制作年
令和6(2024)年
管理番号
izm24071306
備考
連作「猫が顔を洗うと...~諸国言ひ習はし」シリーズ
作家より
古くは地震を起こすのは、日本列島の下に横たわる、あるいは取り囲む龍・蛇(=地震蟲)の仕業と考えられていましたが、江戸時代にはすでに鯰にとってかわっていた様です。そもそも大地震の前に鯰が騒いだ、という伝承は様々な場所にあり、地震を予知してくれた鯰がいつの間にか地震を引き起こす悪者になってしまいました。安政の大地震後、要石が鯰を押さえつけている「鯰絵」やお札が大流行し、鯰が地震を起こす、という俗説は定着してしまったようです。「雨には困り〼(マス)野じゅく暫(シバラク)のそとね」は鯰絵の一つで、歌舞伎『暫』のセリフ「しばらくのつらね」をもじったものです。安政の大地震の被害で家屋が倒壊し、しばらくは野宿を強いられるという状況を伝えています。こちらの根付の鯰はやっつけられているばかりではなく、「本当の犯人」である「地震蟲」を要石で押さえつけ、「やれやれ」の表情です。着ている半纏は『暫』のアイコンにもなっている市川家の定紋「三升」です。(泉水)