Selectionセレクション

好きな秋葉作品を選んでみました
このページではこれまでたくさん制作された秋葉絢作品の中から、ギャラリースタッフが個々の好みで独断で楽しく選んだ作品をご紹介します。秋葉さんは作品制作について以下のように言葉を残しています。

私は、ガラスという素材と向き合って作品づくりをしてきました。
日々の暮らしの中で見つけた、ささやかながらも心をくすぐられるような一瞬。自分の目で見る、触れる、関わることから得た、愛着もしくは執着のようなもの。それらをかたちにしたいと考えてきました。
ガラスは、透明、不透明の使い分けにより、例えば、水や、鳥の羽のように、様々な質感の違いを表現できたり、色を重ねたり、混ぜたり、ぼかしたりすることで、水彩絵の具のような表現をすることもでき、まだまだたくさんの可能性があることを日々感じます。
おはじきやビー玉、ガラス細工といった、子供の頃に心踊らせた宝物の記憶が、無意識のうちに私をガラスの世界に導いたのかもしれません。
掌におさまる小さな世界に、宝物のような時間と空間を閉じ込めていきたいと考えています。(秋葉絢)

暖かい部屋(2019年)

こちらは北澤美術館で展示された、昨年制作された作品ですが、秋葉絢さんの作品との出会いは、この作品と同じデザインの作品でした。ガラスなのに柔らかく暖かな感触の毛糸玉とキュートな黒猫。2006年頃だったと思います。当時、不覚にも秋葉絢の名前も知らなかった私が、個展のDMを見て、もっと知りたい!もっと他の作品も見たい!と住宅地の小さなギャラリーを訪ねたことを懐かしく思い出します。(Y.H)

ギャラリー花影抄作品ページ

雨あがり(2013年)

この作品を見た時に改めて、ガラスという素材の美しさを感じたのを覚えています。艶消しの表現が比較的多かった秋葉さんですが、艶消しと艶有りを上手く使い分け雨あがりの様子を生き生きと表現されています。爬虫類をモチーフとすることも珍しく、艶めかしい蜥蜴も美しい。7年前の作品ですが強く印象に残っている作品です。(T.K)

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羊雲(2015年)

ガラス素材の持つ透明度と不透明度の交錯する性質を、文学的、もしくは形而上的な匂いへと昇華している世界観が好きです。また、爽やかで深い青と抜けるような白の組み合わせに、雲と羊のリズミカルに連続するフォルムが、飛翔感を感じさせてくれて、元気になれる作品です。(H.H)

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みしちお(2016年)

満月の夜、フグの群れが産卵のために集まってくる光景。群泳するフグ達、ざわめく水面。ガラスの透明感、震えるような生命感を感じさせる密度の高い作品だと思います。海の神秘が見事に表現されています。秋葉さんが長年住み慣れた海のある町から引っ越す時に、想いを込めて作られた作品です。(T.H)

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上昇気流(2016年)

カモメが気持ちよさそうに上空を舞い、眼下の海を船が進んでいく様子が垣間見える。
中に何か物を入れるためではなく、蓋が開いて中に風景が入っている。蓋物の構造のアイデアが素晴らしい作品です。10センチに満たない小さなサイズの作品の内部に大きな遠近感が存在する不思議なスケール感の作品です。(K.H)

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咖喱の旅(2020年)

異国への憧れ、ワクワクする気持ちがくすぐられる作品です。眺めていると、幾重にも重なった香辛料のかぐわしい香りが漂ってくるようでもあります。華奢で繊細に表現された駱駝が、蓋物の表面の華やかさをより引きたてる“スパイス”になっていると感じます。様々な形・色の香辛料が重なり合い、その殆どがマットな質感のガラスで構成されていますが、単調さを感じさせずに愉快なリズミカルさを演出している…作家のセンスが光る大人の作品だと思いました。(W.H)

作品ページ

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