枕返し

Makura-gaeshi (Yōkai, Pillow Flipper)

題名
枕返し
サイズ
4.4 × 3.2 × 2.5 cm
素材
鹿角 象嵌:水晶、白蝶貝、水牛角、セイウチ牙、珊瑚、鯨歯
価格
販売済
制作年
令和6(2024)年
管理番号
knj24060101
備考
十九名の現代作家による、もののけ根付展「勿怪(もっけ)の幸い」 第四集 にて発表。
作家より
鳥山石燕の百鬼夜行図にも描かれている妖怪「枕返し」。民間信仰で枕を返すことに何か意味があったとは思いますが、僕個人の枕返しの解釈は次の通りです。夜中お布団にくるまって寝ていると、体温で温まった所から少し冷んやりした場所へまず手足で探って少しづつ移動するというのをある程度の人は経験したことがあると思います。僕の友達がその行為を「冷たい所 探検隊」と名付けて、仲間内でウケたことを覚えています。何が言いたいのかというと、人は快適な空間を求めて一気に移動するより少しづつ探りながら動く生き物であって、当然、枕に頭を乗せて寝ていても常にフィットするのを求めているはず。そういう思い&念のようなものを具現化したのが、妖怪「枕返し」だと考えています。今回制作した枕返しは枕に対して随分デカい。寝ている人を見下ろしながらも優しく枕を移動する、社寺の門を守る仁王様のように、この根付を持つ人の睡眠を快適な方向へと導いてくれるでしょう。(森謙次)