参身國
Sanshin-koku (A land Inhabited by People with Three Bodies in One Head)
題名
|
参身國
|
---|---|
大きさ
|
5.5 × 3.2 × 1.4
cm
|
素材
|
鹿角 象嵌:貝、水牛角、銀
|
価格
|
販売済
|
制作年
|
令和6(2024)年
|
管理番号
|
zhu24060402
|
備考
|
十九名の現代作家による、もののけ根付展「勿怪(もっけ)の幸い」 第四集 にて発表。
|
作家より
|
この作品には、仏教の「三毒」の要素を取り入れました。「三毒」とは人の善心を害する3種の煩悩のことで、貪(とん=むさぼること)、瞋(じん=怒ること)、痴(ち=理非のわからないこと)の3つです。それぞれは鳩、蛇、豚が象徴とされています。「三毒」の根底には「痴」があるため、本作は豚の頭を中心に構成し、豚(=痴)、鳩(=貪)、蛇(=瞋)の要素を互いに絡み合わせ、人間性の複雑さを表現しました。
欲深い鳩は貪欲を表し、利益への執着と美食の誘惑に抗えません。恨みの蛇は瞋恨※1(しんこん)を表し、怒りに駆られていつも利用されます。愚かな豚は痴迷※2(ちめい)を表し、無我夢中で状況を判断できません。仏教の要素と現代的なデザインをうまく組み合わせることで、「三毒」を警戒し常にしっかりとした意識を持とう、という意味をこめてこの作品を制作しました。私たちの生活の中に、「三毒」は至る所に存在しているように思えます。常に自分自身を振り返り、飲み込まれないようにしたいものです。 ※1. 瞋恨:生きている間にうらむこと ※2. 痴迷:無我夢中 ※ギャラリーより:「三身國」は、『山海経』 に書かれている「一つの頭に三つの体を持つ人々が住む」土地。本作は、そこに作者のオリジナルメッセージを加えたものといえる。 |
※作品については、お気軽にお問い合わせください。