新作紹介new works
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「神生みの臥所」というタイトルについて
このちょっと耳慣れないけれど心地の良い語感の展覧会タイトルについて永島は、
「僕は夢をよく見るのですが、夢はいわゆる幻想の世界と繋がっていると考えているので、寝床を表す言葉がいいなと思いました。
軽い感じだと“寝床” “巣” “ねぐら”などでしょうか」と語っています。
このタイトルは、【神(人の願いを込める器、依代としての作品)が生まれる場所≒幻想の世界とつながる夢≒夢が生まれる寝所】という関係性に基づいているようです。
昨年の個展では、人の願いをこめる器(依代)としての根付彫刻を模索しました。
その結果として「懐中仏」(人が懐に入れ持ち歩けるお守りの彫像)のような作品の可能性にたどり着いたと思います。
その後、「着ぐるみシリーズ」と名付けた、幼時の神様が神獣などの着ぐるみを被っている根付や小彫刻の連作を作り、実際に伊勢市のレジデンスプログラムに向かうときに携帯して旅してきました。その中で何かの確信を掴んで帰ってきたようです。
日常の中で持ち主にとっての心の拠り所となるような作品を制作したいという作者の願望が、カワイくも強いエネルギーとなって新シリーズの中に満ちているような気がしております。
今展では、オブジェとしての小型木彫作品の新しい展開にも注目です。
これまでは空想上の少女ばかりをモチーフとし、現実の世界とは一線を画したい、現実ではない絵空事だからこそ良いのだという気持ちが作家の中にあったと思います。
しかし新作木彫には、セーラー服を着た生身の少女が刻まれています。
永島が「現実的な日常」に向き合い、その中でもチカラを持ちうるモノを制作していきたいという願望の現れではないかとも考えます。
自身が制作した「キグルミヒメ」たちが、持ち主との日々の暮らしの中でチカラを持つことを願うこととリンクしているのではないか?
空想のチカラが現実世界で実際のチカラを発揮するという関係、それが「ドラゴンとセーラー服の少女」の組み合わせとして象徴的に表れ、現代における宗教心などとも結びつくと感じます。
永島は、一貫した主なモチーフとして美しい少女像を探求し続けていますが、この数年は少しずつ頭身が縮まり、年齢が幼く見える図像も見え隠れするようになりました。
その頭身のバランスとデフォルメ的な造形探求の着地点、主要な作品ラインとして、幼時の神の像の連作となりました。
デビュー当初に「コロポックル」という小さな妖精のシリーズのストラップを作っており、その延長上にあるものと思います。
美少女の木彫連作は、フィギュア造形の世界観を木彫に引き込んで展開してきましたが、キグルミシリーズの図像は、ソフビの造形世界観を引き込んでいる印象が強くあります。
サブカルチャーから(もはや「サブ」ではなくなり、文化の中心のチカラを持つに至っていると思いますが)また新たな要素を自身の作風に取り入れる貪欲さが感じられます。
ギャラリーとしても、永島の心境の変化、新しい挑戦がどのような形で実を結ぶのか楽しみに見守っていきます。
Gallery花影抄 橋本達士
このちょっと耳慣れないけれど心地の良い語感の展覧会タイトルについて永島は、
「僕は夢をよく見るのですが、夢はいわゆる幻想の世界と繋がっていると考えているので、寝床を表す言葉がいいなと思いました。
軽い感じだと“寝床” “巣” “ねぐら”などでしょうか」と語っています。
このタイトルは、【神(人の願いを込める器、依代としての作品)が生まれる場所≒幻想の世界とつながる夢≒夢が生まれる寝所】という関係性に基づいているようです。
昨年の個展では、人の願いをこめる器(依代)としての根付彫刻を模索しました。
その結果として「懐中仏」(人が懐に入れ持ち歩けるお守りの彫像)のような作品の可能性にたどり着いたと思います。
その後、「着ぐるみシリーズ」と名付けた、幼時の神様が神獣などの着ぐるみを被っている根付や小彫刻の連作を作り、実際に伊勢市のレジデンスプログラムに向かうときに携帯して旅してきました。その中で何かの確信を掴んで帰ってきたようです。
日常の中で持ち主にとっての心の拠り所となるような作品を制作したいという作者の願望が、カワイくも強いエネルギーとなって新シリーズの中に満ちているような気がしております。
今展では、オブジェとしての小型木彫作品の新しい展開にも注目です。
これまでは空想上の少女ばかりをモチーフとし、現実の世界とは一線を画したい、現実ではない絵空事だからこそ良いのだという気持ちが作家の中にあったと思います。
しかし新作木彫には、セーラー服を着た生身の少女が刻まれています。
永島が「現実的な日常」に向き合い、その中でもチカラを持ちうるモノを制作していきたいという願望の現れではないかとも考えます。
自身が制作した「キグルミヒメ」たちが、持ち主との日々の暮らしの中でチカラを持つことを願うこととリンクしているのではないか?
空想のチカラが現実世界で実際のチカラを発揮するという関係、それが「ドラゴンとセーラー服の少女」の組み合わせとして象徴的に表れ、現代における宗教心などとも結びつくと感じます。
永島は、一貫した主なモチーフとして美しい少女像を探求し続けていますが、この数年は少しずつ頭身が縮まり、年齢が幼く見える図像も見え隠れするようになりました。
その頭身のバランスとデフォルメ的な造形探求の着地点、主要な作品ラインとして、幼時の神の像の連作となりました。
デビュー当初に「コロポックル」という小さな妖精のシリーズのストラップを作っており、その延長上にあるものと思います。
美少女の木彫連作は、フィギュア造形の世界観を木彫に引き込んで展開してきましたが、キグルミシリーズの図像は、ソフビの造形世界観を引き込んでいる印象が強くあります。
サブカルチャーから(もはや「サブ」ではなくなり、文化の中心のチカラを持つに至っていると思いますが)また新たな要素を自身の作風に取り入れる貪欲さが感じられます。
ギャラリーとしても、永島の心境の変化、新しい挑戦がどのような形で実を結ぶのか楽しみに見守っていきます。
Gallery花影抄 橋本達士