雨師妾

Ushishō(God of Rain)

題名
雨師妾
大きさ
4.5 × 2.1 × 1.9 cm
素材
蝦夷鹿角 象嵌:真鍮、黒檀
価格
販売済
制作年
令和3(2021)年
管理番号
ssi21040101
作品解説
「黒歯国の北方、北端には天候に対する感化力に長けたシャーマンたちが住まう集落があり、長雨、旱魃の際には青丘国にまで遠征を請われることもあった。
そのシャーマンたちは全てが女性で、数十年に一度、全身を黒い毛に覆われた女児が生まれ、雨神“雨師”として育てられていた。雨師は出生の刹那、両鼻腔の奥深くへ小さな蛇の卵を挿入される。
数年の後、脳内で成長しアストラル体へと昇華変容した二匹の蛇は、右耳孔より紅蛇、左耳孔より蒼蛇の姿で体外へ巣立つのだが、その二匹の蛇が雨師により自在にハンドリング可能となった頃合い、再び両鼻腔より小さな蛇の卵が挿入される。そして数年の後、紅蛇二匹、蒼蛇二匹、計四匹となったアストラル体の蛇が雨師の体内外を自在に円環するようになるころ、雨師の成長は止まり、シャーマンたちの超自然力を増幅させるための加速器“雨師妾”が完成するのだ。強大な力にリスクは付き物で、長い雨師妾の歴史において一度だけ引き起こされた大災を期に、長老に伝わる雨師妾育成訓のなか最も冒してはならない、ただ一つの禁忌が記されることとなる。
それは“蛇を対面させる”こと、則ち高濃度に昇華変容された蛇形のアストラル体は接触した瞬間に対消滅の連鎖を誘発し、雨師妾は崩壊する……雨師妾の喪失によりシャーマンたちの超自然力は減衰、新しい雨師妾が誕生するまで数十年の間続いた過酷な天候は、抗うこと叶わぬ黒歯国を衰退させた。
この大災を人々は“黒歯国の雨師災”と呼び今も語り継いでいる」(至水)

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