付喪神 USBM -馬面染ミ坊主- 至水ノ記憶-

Tsukumo-gami USBM -Umazura Shimi Bōzu- Shisui no Kioku (Specters Transmuted from Utensils: USB Memory Stick: Yōkai with Horse face and Stain on His Face: Memory of Shisui)

題名
付喪神 USBM -馬面染ミ坊主- 至水ノ記憶-
大きさ
4.5 × 4.4 × 2.7 cm
素材
蝦夷鹿角 象嵌:USBメモリ64MB、黒水牛角
価格
販売済
制作年
令和3(2021)年
管理番号
ssi21071501
備考
馬面染ミ坊主の脳内に染み付いた至水の全根付作品アーカイブ画像(至水の記憶)を閲覧するためのType-CメスのUSBケーブルと端子保護キャップが付属しています。端子保護キャップは側面両端を爪たて気味に指先でつまんで引き抜けます。
作品解説
「至水ノ記憶」
地球温暖化対策、生物多様性、植物生存権と言う概念、理由は如何様にも創出され、声高に世界の森林保護を訴える巨大な政治組織と化した地球自然保護団体は、全世界政府にゼロペーパー運動を推し進めさせるまでの圧力と成った。 2030年代後期から加速度的に進められたあらゆる既存データのデジタル置換アーカイブは義務化され、後の 10年で新規生産の紙工業製品は完全消滅、人類の紙文化は終焉を迎えた。
現存する紙媒体データのデジタル置換が完了に近付いた 20717月某日、追い詰められた狂信的物理記録至上主義者達のネットワーク「神ノ紙」は、世界各地で同時多発的サイバーテロを敢行、続く第二波 EMP攻撃の影響は世界規模に及び、人類はデジタルデータの全消失と共に、化学、工業、文化のレベルを数世紀相当引き戻される事と成る。
2121713日、七月盆真最中の函館は時任町にある本門寺の納骨堂。鈴木の位牌と共に安置されていた小さな遺品、根付彫刻家至水が作品画像保存用に使用していた USBメモリがコトリと動いた。それは百年の時を経て付喪神と成り目を覚ました USBメモリ「馬面染ミ坊主」であった。
何やらしかめっ面で頗る寝覚め悪そうな馬面染ミ坊主、 50年前に降り注いだ EMPの影響か、頭の中にアーカイブされている筈の至水作品の画像が一つも思い出せない
意を決し納骨堂を抜け出した馬面染ミ坊主は、脳内のフラッシュメモリに染み付いた至水の記憶を確認し、再び至水の記憶を人々に広め染み付ける為に、「根付」なんて言葉すら忘れ去られた世界でたった一人、接続可能な USBポートを探し求め彷徨い続けるのである。(至水)

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