藤井安剛 根付展

れんげ堂巾着も

2011.6.25(土)~7.3(日)
6/30(木)休廊
13:00~19:00/最終日~18:00




このたび、Gallery 花影抄では、根付師 藤井安剛の個展を開催させて頂く運びとなりました。
2008 年の初個展開催より、数年に渡り開催を切望していた展覧会です。
制作に時間のかかる根付彫刻で個展を開催するのは、作家にとって大変なことです。
今回も、満を持しての個展開催となりました。

「何か御客様に自身の作品の新しい展開や発展、上達が無いかぎり、展覧会を開く意味がない」
そう考えていた安剛が、本展において、どのような作品を見せてくれるのか非常に楽しみです。

現代で根付彫刻を手がける作家は、一般の方々が思われるよりも意外に少なくはないのですが、
安剛ほど、根付の古き良き時代の世界を追求している作家も少ないのではないか?と思います。
一般的に、作家という言葉を使いますが、安剛には根付師という言葉が似合います。
その根付の魅力は、いぶし銀のような渋い世界観です。
彼は、もともと古い将棋の駒を集める事が趣味で、様々な骨董市などを巡っていく中で、
古い品々の持つ奥深い世界に触れ、自身の「価値観・眼」を持つようになっていきました。
その「眼」をもって作り出す根付の数々には、やはり、彼独特の世界が展開しています。
どんなささやかな作品であっても、確かに安剛らしさが、そこに宿っていると感じます。
音楽では、ブルースやソウルミュージックが好きだという作者の深く渋く、そして熱い世界です。

「現代根付」と呼ばれるジャンルでは、様々な価値観がせめぎあっています。
その中で、「根付」が「根付」であることの素晴らしさが、安剛作品にはあると思います。
三年前の展覧会の頃から、その根付に宿る美意識は揺るぎなく、
その後の日々の研鑽によって磨かれた技術により、ますます深く鋭く強固なものになりました。

藤井安剛の魂の根付彫刻十数点、古布を使った巾着袋も会場に並びます。
この三年の成果を是非、ご高覧下さいませ。

Gallery 花影抄 橋本

■作家の言葉:藤井安剛

2008年に続いて2度目の個展となります。
この貴重な機会を与えて下さった、ギャラリー及び関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

今回は、古布を利用した れんげ堂 の提げ物も多数展示しております。
根付を実用して頂く為のヒントにでもなれば、うれしい限りです。

私にとって、おもしろい根付をつくり続ける事が、この世界を生き抜く唯一の道だと考えます。
是非、多くの方々に足を運んで頂ける事を願っております。