森 謙次 根付彫刻展「三人文殊」

2011.11.19(土)~27(日)
13:00~19:00/最終日~18:00
会期中/24日(木) 休廊
作家在廊日/19(土)・20(日)の途中まで。




※アイデア協力/吉岡知朱ほか

このたび、Gallery 花影抄では、森謙次根付彫刻展を開催させて頂く運びとなりました。

「根付」という小さな美術工芸品は、人と人のコミュニケーションツールとして、力を発揮する一面があります。
その昔は、煙草を一服する時の火を囲んでの団らんや、武士たちがお城で殿様に会えるまでの待ち時間の会話を繋ぐコミュニケーションの小道具として機能したようです。

またこの美術工芸品は、元々「誂え物文化」であり、作り手の意図だけではない部分で作られてきました。顧客や商人、まわりの職人たちとのやり取りの中で作られてきたものです。そういったルーツをふまえて、今回の展覧会では敢えて、すべての出品作品を森謙次本人だけではなく、作家にとっての知恵袋的な人や、依頼主、ギャラリー等との関係性の中で制作し、そのやり取りも含めて展示発表します。

この実験的な展覧会の発端は、何年か前に今回の展覧会のアイデア協力に名前のある吉岡さんと雑談の中で「『根付デザイナー』、なんていう肩書きの人が居たら面白いだろう」と話したりしていたことにあります。その後、作家の森謙次さんと話をしている中で、森さんが、身の回りの人たちとのやり取りの中から、たくさんの制作アイデアをもらって制作していることが判明。それらを膨らましてみたら面白い提案が出来るのではないか?ということになり、今回の展覧会の企画に繋がりました。

小さな彫刻作品を中心にして、人と人の関係性が生まれ、その先の大きな広い世界へ繋がっていくことを願います。
そんな大袈裟なことではなくとも、「根付」というものを通じて、人と人の間に楽しい関係が生まれ続けていけば良いと思っています。

(Gallery花影抄 橋本)