かわさきみなみ展「いくつものとき」

5月20日(土)〜28日(日) ※22日(月)休廊
13:00〜19:00(最終日〜18:00)



2012年に女子美術大学 絵画学科 洋画専攻を卒業したかわさきみなみは、一貫して犬をモチーフにし、
羊毛を用いた作品を中心に、精力的に制作し発表してきました。昨年は塑像作品も積極的に制作して
きましたが、今回の個展では羊毛の素材の作品のみが並びます。

かわさきは身近で大好きな犬を通し、生きることや、この世界との関係性を表現しようとしています。
時の重なりを、犬が人と共に過ごす中で見せる仕草を描き、考えていきたいというテーマにそって
立体と平面作品を展示します。犬は人と共存している、人間にとって世界共通の存在とも言えます。
様々な犬を表現するかわさきみなみは、近年増えてきた羊毛を用い作品を作る誰とも違う、個性ある
表現力のある作家です。見る人の心の内をくすぐり、動かすような魅力を持っているかわさきの
羊毛作品をぜひ、ご高覧くださいますようお願い申し上げます。


作家のことば(かわさきみなみ)

犬と人とが一緒に過ごしてきた時間の重なりを描きたいと思っています。
生活の中に犬がいる風景、犬が見せる仕草を描くことを通して
人にとっての犬、犬にとっての人とはどんなものなのか?を考えます。

人と過ごしてきた時間があることを犬の表情や仕草で表現したいと思ったことから、
今回は人と過ごした時間がより長い大人の犬を作ることにしました。

私が作品を制作する上で使っている羊毛フェルトは、細かい毛を集めて絡ませることで形作る技法です。
細かいものが重なってひとつの形になる様は、生き物の体に生きて来た分だけいくつもの時間が刻まれて、
今の姿を作っていることと重なるところがあるように感じます。
そんな時間の重なりを意識して作ることで、羊毛での表現をより深められたらと思っています。