永島信也展2014 

〜依代の心臓〜

2014/4/19(土)~4/27(日)
4月24日(木)休廊



根付は、その小さなサイズと機能性のゆえに、持つ人の身近に寄り添える存在です。
御守りとしての役目を担うことも多く、人の願いや希望の依り代としても機能してきました。
古来から、七福神や風神・雷神などのテーマは好んで彫刻されてきましたが、
しかしながら、仏様の根付の例は、あまり見受けられないように思います。
神仏の中でも、根付の題材として選ばれるものと、選ばれないものがあるようです。
時代時代で作られた神仏像は、制作された時代背景を象徴する姿でもあります。
いったいどのような「像」が、この2014年の人々の心を映し、願いを込められる「神仏像」となり得るのでしょうか。
永島が好んで彫る女性像も「現代の女神」といったような言葉で表現することもできると思います。
どのような「像」が現代に生きる人々にとっての「神的な存在」として、受容され求められるのか、そのことにも興味が沸きます。


今回の展覧会のテーマについての作家本人の言葉です。

「言葉に言霊が宿るように、物にも魂が宿る。
神を一つの像として形造ったとき、その像には神が宿る。
概念は認識されることによりその力を強くするのだ。
今回は神像を主体として構成する予定です。
これまでは神像はただ漠然とした神の姿を作っていましたが、
より神が持つ意味を強くしたいと思っています。(永島信也)」


島根県出身の永島にとって、神仏の世界は常にリアルに身近に感じられる世界だったに違いありません。
子供の頃から、目には見えないけれど、たしかに存在を感じることができた異世界。
作家活動を志してから、常に奥底に持ち続けてきたテーマにあらためて挑みます。

(Gallery花影抄/橋本)