かわさきみなみ展 

コトバになるまで

2014/6/21(土)~29(日)
6/26(木)休廊



■作家のことば(かわさきみなみ)

たくさんの粒が 浮かんだり沈んだりを繰り返している。
奥はずっと深くて、暗くてよく見えない。

私たちの心の中には日々たくさんの気持ちが生まれる。
時間とともに消えてしまうものもあるけれど、
心の隅に残るものもある。
そうして、日々生まれる気持ちが
生きている間に少しずつ心の中に蓄積されていく。
蓄積されたものたちで自身の今の心の形ができている。

心の形は常に動いて変化している。
自分自身の心でさえ、今どんな形をしているのか
知ることは難しい。

この白黒模様の犬は、見えない「心の形」が
目に見える形になっていたらどのように見えるのだろう
という想像から生まれた犬たち。


■このたびGallery花影抄では6月21日から29日にかけて、かわさきみなみ展を開催いたします。
大学在学中より、羊毛を使った立体作品の発表を行ってきたかわさきですが、今年の個展では新たに
平面作品も加わり、新しい表現を見せます。

表情豊かな立体作品を作り出すために羊毛を好んで使用するの は、 かわさきの特徴のひとつです。
大きさや形を思ったように出せることに加え、生き物の温もり、柔らかさを表現するのにとても
適した素材だと、彼女自身が感じているからです。
そしてその魅力は、作品の顔や姿態のディテールからも窺えるように、かわいいだけではない表情にあります。
たとえば犬が好きな人は、誰もが愛らしいと感じる姿はもちろんのこと、決してそうとは言えない
表情にも愛しいという感情を抱いたりしますが、そうしたありきたりのかわいらしさだけではないはっと
するような生々しい表現を、かわさきの作品の細部に透かし見ることができるのです。

かわさき自身の心模様を投影している犬たち。犬は世界中にいて、人間との関係を築いています。
その犬という世界共通のツールを使い、かわさきが伝えたいことは何か。作家自身の内側を投影する
作品の魅力は、彼女の犬に対する深い愛情と自身の造形力と洞察力に支えられています。
会期中に足をお運び頂けましたら幸いです。作家は毎日在廊予定となっております。

(Gallery花影抄/木塚)