安剛・紫苑「根付彫刻二人展」

2014/11/22(土)~30日(日)
11月27日(木)




根付彫刻の素材は、主に動物の牙や角による牙彫と、黄楊を主にする木彫に分かれます。
材料の違いによって、使う刃物も異なります。
今回、二人展を開催する2人は、その部分では対照的なスタイルを持っています。

東京で、象牙根付彫刻の第一人者である駒田柳之氏に技術を習った藤井安剛。
古い将棋の駒を探して骨董市などを巡っている中で根付と出会ったことから作家活動を始めた安剛は、滅びの美学とでもいうような雰囲気を持つ根付彫刻を制作しつづけています。

朝熊黄楊という良質の黄楊材の産地である伊勢で、木彫根付の普及に尽力している中川忠峰氏より学んだ紫苑。家業の農業を手伝いながら、植物や動物を題材とした温かく繊細な眼差しを感じられる根付彫刻を制作しています。今回は、霊獣などのモチーフにも意欲的に挑戦し出品します。

二人それぞれの特徴や魅力を十分に楽しめる展覧会です。
十数点が並びます。

(担当:Gallery花影抄 橋本)

・藤井 安剛 Fujii Ango 略歴
□1960年生まれ(愛媛県)。
現在、東京・東村山在住。
古い将棋の駒を探して、骨董市などを巡っている中で、根付と出会う。
2000 年頃から、独学にて根付制作開始
2003 年~朝日カルチャー「現代根付教室」にて、駒田柳之・黒岩明両氏により根付彫刻を学ぶ。

「象牙であれば大原光廣、玉陽斎。黄楊ならば、豊昌、五鳳交通などと、素材ごとに、理想とする仕上がり具合が頭の中にあります。理想的な仕上がりを目指しつつ、独特の技法・作風によって、一目で誰の作とわかるような、独自の技、風合いを手に入れたいと考えています。仕上がりの技術的な部分を強調するのは、根付を「工芸」と考えているからです」(藤井安剛)

□個展
2008年 「藤井安剛 根付展」Gallery 花影抄(東京/根津)
2011年 「藤井安剛 根付展」Gallery 花影抄(東京/根津)

□グループ展
2005年「第 10 回現代根付展」横浜高島屋(以後、毎回出品)
2005年 「第 23 回根付彫刻新作展」池袋西武(以後、毎回出品)
2006年「根津・根付彫刻展」Gallery 花影抄(東京/根津)
2007年「根津根付彫刻展 2007」Gallery 花影抄(東京/根津)
2008年「現代根付展 ~掌中の美 in 寿庵」ギャラリー寿庵(東京/西荻窪)
2011年「荒井良の妖怪張り子と現代の根付展」銀座三越
2012年「新古典派根付展 〜江戸文化への憧憬〜」Gallery花影抄(東京/根津)



・紫苑 SHION 略歴
□1964年生まれ(三重県)
現在も、三重県伊勢市在住。

2004年
中川忠峰氏の工房に通い、根付制作をはじめる。
根付彫刻・篆刻・フィギュア制作・貴金属加工・ワックス原型など幅広く制作。
伊勢という根付伝統の土地で、農業をしながら、制作活動をしている。
身近にいる植物や動物の題材を得意とする。「ヤマネ」の根付をライフワークとして連作中。

□個展
2009年 「紫苑 根付展 ~井天の青を想ふ~」Gallery花影抄(東京/根津)
2011年 「紫苑根付彫刻展~ひとつのかたち ひとつの想い~」Gallery花影抄(東京/根津)

□グループ展
2005年 「現代伊勢根付展」ギャラリーKONO・四日市
     「伊勢根付三人展」ギャラリー葉・度会郡玉城町
2007年 「伊勢・飛騨根付展」花影抄・根津
2011年 「伊勢志摩木彫会作品展」根付の部出品 いせトピア・伊勢
2012年 「伊勢の伝統工芸」シンポジウムと展示 皇学館大学記念館・伊勢
2014年 「伊勢の根付展 常若~受け継がれる技~」 パラミタミュージアム(三重)